全身清拭の手順

 全身清拭の手順

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全身清拭の手順

全身清拭の実際(清拭順序の従って清拭方法を記す)

顔・頸部の清拭

① 顔を清拭する

・ 希望により洗顔せっけんをつけて拭くこともある

・ 片手で頭部を抑えて、眼がしらから目じりに向かって軽く拭き、ウオッシュクロスを洗ってから反対側を拭く

・ 前額部を中心部から左右に拭き、鼻、頬、鼻翼から口の周囲を8の字を書くように拭く

・ 鼻腔内の汚れも除去する

・ タオルを絞って顔に当て、蒸してから拭くと気持ちよいという人もいる

② 頚部、耳を拭く

・ 頚部は胸部の方向に向かって吹く

・ 耳は耳垢もよく観察し除去する

③ 顔、頸部、耳を清拭したらタオルケットの縁にかけたタオルで水分を拭きとる

・ ボディソープをつけて清拭した場合はウオッシュクロスをすすいでボディソープを良く拭きとる

上肢の清拭

① 看護師の反対側の上肢をタオルケットから出し、バスタオルで包み込んでおく

② バスタオルから上肢を出し、手指、手掌、手背、前腕、上腕、肩、腋窩の順に末梢から中枢に向かって拭く

・ 患者の上肢が不安定にならないように、前腕を拭く時は手関節をもち、上腕を拭く時は肘関節をもって前腕を支えて拭く

・ 腋窩は皮脂による汚れも多く、観察しながら拭く

③ ボディソープを拭き取ったら、下に敷いたバスタオルで水分を拭きとる

④ 清拭した上肢にタオルケットをかける

⑤ 反対側の上肢をタオルケットから出し、バスタオルで包む

⑥ 同様に清拭する

胸部腹部の清拭

① 胸部にタオルケットをかけ、タオルケットを腹部まで下げタオルケットの縁にタオルをかけておく

・ タオルケットやバスタオルは身体に密着させてかける

・ 胸部を拭く時に、タオル1枚4つ折りにし、すすぎ用の湯に浸して硬く絞り、腹部に置きその上にバスタオルをかけておく

・ タオルは冷めていない湯につける

② 胸部を清拭する

③ 腹部に置いたタオルをとり、乾いたタオルで水分を拭き取りバスタオルをかける

④ タオルケットを鼠経部まで下げ縁をタオルにかけておく

⑤ 4つ折りにしたタオルを濯ぎ用の湯に浸して硬く絞り、胸部に置きその上にバスタオルをかけておく

⑥ ウオッシュクロスの用意が出来たら、バスタオルを胸部の方に引き上げ腹部の清拭をする

⑦ 清拭が終わったら、胸部に置いた温かいタオルを除去する

⑧ バスタオルを除去し、タオルケットを伸ばして全身にかける

下肢の清拭

① 看護師の立っている反対側の下肢をタオルケットから出し、バスタオルをしいてその上に下肢を固定する

・ 手前の下肢には、タオルケットをかけておく

② 指、指間、足背、足底、下腿、大腿の順に末梢から中枢に向けて拭く

・ 大腿を清拭する時は膝を立て大腿の内側から支えて安定させて拭く

・ 下に敷いたバスタオルで水分を拭き取る

③ 反対側の下肢も同様に清拭する

④ タオルケットを足先まで伸ばして掛ける

背部臀部の清拭

① 看護師側に身体を寄せて、背を向けて側臥位になってもらいバスタオルをかける

② 温かいタオルを背部にあてる場合は2枚を湯につけて硬く絞っておく

③ 寝衣を身体の下から引き抜き、小さくまとめて家族へ戻す

④ 身体の下にバスタオルの端を入れ込むように敷、背部、腰部臀部まで密着させ、その上をバスタオルで覆う

・ 温めたタオルを使わない場合は、バスタオルをそのままかけておく

⑤ 後頚部、肩、背部、足背部、腰部、臀部の順番で清拭する

・ 温かいタオルを当てていた場合は、冷める前に取り去り清拭する

・ 患者の身体が安定するように必ず片手で身体の一部を支えて拭く

⑥ デイスポーザブル手袋を装着する

⑦ 肛門裂孔はガーゼにボディソープをつけて泡立てて拭く

・ ガーゼはボディソープ用の湯につけて絞り、ボディソープをつけて泡立る

・ ボディソープを拭き取るペーパータオルは、すすぎ用の湯をつけて使用する

・ ペーパータオル、ガーゼは使用したらその都度ごみ袋に捨てる

⑧ 乾いたペーパータオルで押さえるようにして水分を拭く

⑨ デイスポーザブル手袋を外して、手指衛生を行う

⑩ 着替えの衣類の袖を通し、背部に広げて仰臥位になってもらい、反対側の袖を通し前身ごろを合わせる

・ 麻痺、拘縮、疼痛、外傷などがある場合にはその患者に応じた方法で寝衣を交換する

陰部の清拭

① バスタオルを胸部にかけ、タオルケットは膝の位置まで下げ、両下肢を両側から包み込むようにする

② もう一枚のバスタオルを下腹部から大腿の部分にかける

③ 膝を立て両下肢を少し開いてもらい、臀部の下にもう一枚のバスタオルを半分に折り敷き込んでおく

④ ふき取りようのガーゼ、又はペーパータオルを熱めの湯につけ絞って準備しておく

・ ビニール袋に入れておくと冷めにくい

⑤ デイスポーザブル手袋を着用し、ガーゼを湯につけ、ボディソープをつけないで絞って陰部肛門周囲を拭く

・ デイスポーザブル手袋は感染防止、看護師の手により粘膜を傷つけない、患者の肌に直接看護師の手が当たって不快感を与えないために使用する

・ 女性の場合は前から肛門部の方向に拭く

・ 女性の場合、外陰部、会陰が恥垢による汚れがひどい場合、オリーブ油をガーゼにとり拭きとると簡単に除去できる

・ 男性の場合は陰茎陰嚢のしわを伸ばしてガーゼで拭く。汚れのひどい場合はオリーブオイルをガーゼにつけて拭く

・ 鼠経部も汚れやすいためによく観察しながらせいしきする

⑥ 用意していたガーゼにボディソープをつけて泡立て、陰部、外陰部、肛門を抑えるようにして圧を加えないで拭く

⑦ 別の用意したガーゼ、又はペーパータオルでボディソープを拭き取る

・ 使用したガーゼ、ペーパータオルはその都度ごみ袋に捨てる

⑧ デイスポーザブル手袋を外して手指衛生を行う

⑨ 下着をつけている衣を下肢まで伸ばし、皺の内容に整える

⑩ バスタオル、タオルケットをとり、元の寝具をかける

⑪ 患者の疲労度、爽快感を確認し必要があればバイタルサインを測定する

後片付け

① ベッド上、周囲の物品、ベッドの高さを元通りにもどし、カーテンを開ける

② 使用した物品をベッドサイドから片付ける

③ ゴミは所定の場所に廃棄する

④ 使用したベースン、バケツ、ピッチャーはあらって乾かしボディソープも洗って元に戻す

⑤ タオル類は、規定に沿って洗濯に出す

⑥ 手指衛生を行う

 

 全身清拭の目的

全身清拭の目的

  • 全身清拭とはどのような健康状態にある患者にも適応できる。温タオルで汚れを拭きとって全身の皮膚の清拭を保つための看護技術である
  • 清拭は患者の状態によって一度に全身を清拭する全身清拭と、日によって部分的に清拭する部分清拭の方法がある
  • 全身の清拭・粘膜の表面に付着している垢や汚れ、汗を取り除いて清潔にするとともに感染を予防する
  • 身だしなみが整えられ心身の爽快感を得ることが出来る
  • 皮膚に刺激を与え血液循環が良好になり皮膚粘膜のトラブルを予防する
  • 筋肉を刺激したり他動運動の機会となり、筋肉の拘縮を予防する
  • 全身を観察したり、スキンシップによるコミュニケーションを図る機会となる

適応

  • 病状により入浴シャワー浴などが出来ない患者

知っておくべき情報

実施する為に必要な情報
  • 全身状態
  • 病状、症状
  • 手術、創の状態
  • 治療、処置による制約
  • 発汗、皮脂による汚れ
  • 排泄物・分泌物による汚染
  • 運動、知覚障害
  • 皮膚の状態
  • 環境条件
  • 清潔に関する認識
  • 清拭に用いる洗浄剤の好み
方法
  •  全身清拭
  •  部分清拭
  •  石鹸
  •  洗浄剤
  •  坐位
  •  仰臥位
  •  側臥位
援助の評価
  • 清潔の程度
  • 疲労度
  • バイタルサインの変化
  • 症状の変化
  • 爽快感
  • 所要時間

 

 

参考資料:看護技術プラクティス

 

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