前立腺肥大症患者の看護計画

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前立腺肥大症患者の看護計画

#1排尿障害によって日常生活に困難が生じる

看護診断 排尿障害

関連因子:解剖学的閉塞

診断指標:尿意切迫、頻尿、排尿困難、遅延性排尿、尿閉、尿失禁

看護目標

長期:日常生活の中で排尿をコントロールできる

短期:1)自らの排尿状況を観察しパターンを知ることができる

2)排尿状況に合わせた適切な対処ができる

OP

・症状の出現状況、程度の把握

・日常生活上回っていることの把握

・薬物療法の効果

TP

・身体的・精神的苦痛に理解を示す

・患者の排尿状況に合わせた対処方法を共に考える

・いつでも安心して排尿できるよう環境を整える

・服薬の調整を医師に相談する

EP

・我慢すると尿閉があるため、排尿は我慢せずいつでもトイレに行ける環境を整えるよう指導する

・骨盤内の血液循環を良くするため、下半身を冷やさないよう説明する

・前立腺のうっ血を予防するため、適度な運動を勧める

・便秘により排尿状態が悪くなっている可能性もあるため、便秘しないように食生活に気を付けるよう指導する

・カフェイン飲料やアルコール飲料は利尿と頻尿の原因となるため摂取を控えるよう勧める

・脱水により腎機能障害を起こすアそれがあるため適切な水分摂取を指導する

 

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#2夜間頻尿により不眠が続いている

看護診断 不眠

関連因子:妨害

診断指標:睡眠持続時間を訴える、睡眠に対する不満足感を訴える

看護目標

長期:夜間の睡眠時間が確保され熟眠感が得られる

短期:1)夜間頻尿に対する対策をとることができる

2)不眠による疲労が解消される

OP

・睡眠時間、夜間の覚醒回数、熟眠感

TP

・夜間に安心してトイレへ行ける環境を整える

・尿意切迫が強い時は、必要に応じてポータブルトイレや尿器を使用する

・入浴や足浴などで全身の循環を促して熟眠できるようにする

・服薬や調整を医師に相談する

EP

・夕食後の飲水は控え、就寝前に排尿するように指導する

・寒冷刺激は尿回数を増やすために温かくして寝るように促す

・トイレの近くの部屋で寝るなど、環境を整えるよう勧める

・生活リズムを整えるよう指導する。疲労が強い時は日中の短時間の睡眠を勧める

#3残尿により尿路感染を起こす可能性がある

看護診断 感染リスク状態

危険因子:残尿

看護目標

長期:尿路感染を起こさない

短期:1)尿路感染の徴候について理解できる

2)適切な感染予防対策がとれる

OP

・尿の色、性状、残尿の量、水分摂取量

・体温、血液データ、倦怠感など自覚症状

TP

・2~3時間ごとの排尿を促す

・間欠的自己導尿や膀胱留置カテーテルの適応を医師と相談する

EP

・適切な水分摂取量についてアドバイスする

・2~3時間ごとに排尿し睡眠を空にするために用手排尿法の指導する

・カテーテル留置が必要な場合はカテーテルの使い方を指導する

・感染が上部尿路に達すると、腎機能低下を招くこともあることを説明する

・残尿が多い時は間欠的自己導尿法を指導する

 

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#4入院手術を受けることに対する恐れがある

看護診断 不安

関連因子:入院、手術

診断指標:緊張した表情、不眠、食欲不振、倦怠感

看護目標

長期:入院手術を受ける気持ちの準備ができる

短期:1)信頼できる他者に不安や懸念を話すことができる

2)入院手術について理解できる

OP

・入院手術を受けることに対する患者の思い

・心配に思っていることの具体的な内容

TP

・患者の思いを理解し適切な情報提供をする

・必要に応じて家族の協力を得る

EP

・入院生活について説明する

・予測される術後の状態について説明する。洗浄液や留置カテーテル、牽引などイメージしやすいよう具体的に説明する

・痛みや牽引による苦痛に対しては十分な緩和を行うことを説明する

 

#5術後出血によりショックを起こす可能性がある

看護診断 出血リスク状態

危険因子:観血的処置

看護目標

長期:術後出血を起こさない

短期:1)術後出血を予防できる

2)術後出血の早期発見と対処ができる

OP

・血尿、尿の流出状態、凝固血の有無と程度

・顔色、貧血症状の有無

・凝固能、ヘモグロビン値など血液データの確認

・水分出納

TP

・術後安定と牽引により出血を予防する

・カテーテルや牽引、体位による苦痛に対して十分な緩和を行う

・血尿が強くなったり尿の流出状態にお変化が見られたときは、医師に報告する

EP

・抗凝固薬などを内服中の場合は、医師の指示で術前から注意する

・術前から術後の安静と牽引について患者に協力してほしいことを説明する

 

#6膀胱留置カテーテルやカテーテルの牽引固定、安静による苦痛がある

看護診断 安楽障害

関連因子:膀胱留置カテーテル、カテーテルの牽引固定、安静

診断指標:苦痛を感じる表情の訴え、安楽でないという訴え、睡眠パターンの混乱

看護目標

長期:膀胱留置カテーテルや牽引固定、安静による苦痛が緩和される

短期:1)苦痛症状が表現できる

2)夜間の休息がとれる

OP

・疼痛や膀胱刺激症状の部位と強さ

・腰痛の有無と程度

・表情、バイタルサイン

・尿の流出状態、カテーテルの閉塞の有無

・尿道口からの尿漏れ、尿道口の発赤・腫脹の有無

・牽引固定の状態

・鎮痛薬の効果

・不眠の有無

TP

・苦痛症状の部位と強さを記録し評価する

・カテーテルの屈曲や閉塞を防ぎ、カテーテルの開通性を維持する

・安楽な体位を工夫する

・適切な鎮痛薬の投与

EP

・苦痛を表現するよう促す

・膀胱留置カテーテルとカテーテルけん引固定の必要性について説明する

・鎮痛薬の効果と副作用について説明する

 

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#7治療に取る性的機能障害がある

看護診断 性的機能障害

関連因子:手術

診断指標:望まれる満足感を得ることができる、性的機能に問題があると言葉に出す

看護目標

長期:性的機能に満足できる

短期:1)起こりうる性的機能障害について理解できる

2)性機能の変化に対処できる

OP

・自らの性的機能に関する患者の訴え

TP

・性的機能障害についての懸念を話し合ってよいことを伝える

・性的な懸念について話すことの患者のためらいを尊重する

・患者に満足感が得られない場合は専門家に紹介する

EP

・治療による逆行性射精、勃起障害の可能性について説明する

・出血を予防するため、性交については医師の指示を確認する

 

参考資料:疾患別看護過程

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