うつ病患者の看護計画
#1解決できない悲嘆を体験し、喪失による症状が長期化している
看護診断 悲嘆複雑化
関連因子:重要他者の死、情動の不安定さ
診断指標:抑うつ、悲嘆回避、持続する情動的苦痛
看護目標
長期:専門家の援助を求める意思を表現する
短期:1)喪失を認めることができる
2)悲嘆が未解決であることを認めることができる
OP
・身体症状の観察
・感情、意欲、行動面、思考面の観察
TP
・喪に服することは普通の行為であることを理解できるように援助する
・患者が感じている状況を話すように励ます
・大きな筋肉を使う運動をするように促す
EP
・過去に成功したコーピングを用いるように強調する
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#2自分に自信が持てない状態にある
看護診断 自尊感情慢性的低下
関連因子:喪失に対する効果的でない適応
診断指標:自己に関する否定的なフイードバックを過大評価する、物事をうまく取り扱えないと自己を評価する
看護目標
長期:自分の肯定的な面を見出し表現する
短期:1)非現実的自己期待の修正
2)限界を受容したことを表現
3)自分の能力にあった将来計画を立てる
OP
・患者の自己感覚の観察
TP
・活動への参加を促し、肯定的フイードバックを与える
・運動を進める
・攻撃や不十分な衛生、黙考、自殺企画などの問題行動を制限する
EP
・友人、重要他者との面会時間を持つ、連絡を取るよう指導する
・自分のできる機能をリストアップするよう指導する
#3他者とかかわることができない
看護診断 社会的相互作用障害
関連因子:自己概念混乱、社会文化的不調和
診断指標:他者との相互作用がうまく機能していない、社会との関与に満足している感覚を伝えられない
看護目標
長期:社会生活を再確立し、維持する
短期:1)他者との相互作用が機能する
2)活動に参加することができる
OP
・活動レベル
・表情、言動観察
TP
・個別的、援助的関係を確立する
・グループセラピー
・家族へのケアを提供する
EP
・ソーシャルスキルの訓練を行う
#4ストレスに対処することができない
看護診断 非効果的コーピング
関連因子:コーピング能力に対する自信のレベルが不適切
診断指標:自己に対する破壊的行動、不適切な問題解決
看護目標
長期:不安やストレス、葛藤に対処する能力が高まったことを示す
短期:1)自分の緩徐を言葉で表現することができる
2)自分のコーピングパターンとその効果を結び付けて理解することができる
3)自分の強みを見出し他者からの支援を受け入れることができる
OP
・気分の観察
・突然の劇的行動の変化
TP
・活動能力に応じて補助具や介護用具を使用したり介助方法を検討してみる
・理学療法士などのスタッフと連携を取りながら薬物療法と並行してリハビリテーションの各段階に応じた援助を行う
EP
・患者家族にできる限りADLを自分で行うように指導する
#5食事を摂取することができない
看護診断 栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
関連因子:心理的因子
診断指標:食物に興味を示さない
看護目標
長期:活動レベルにあった毎日の必要栄養素を摂取する
短期:1)食事に関心を示す
2)十分栄養を摂取することの大切さを言う
OP
・食事摂取量、食欲、食事への関心
・栄養状態
・体重の変化
TP
・食堂まで穏やかに誘導する。難しい場合には自分運ぶ
・自分のペースで摂取できるように見守る
・悪心などの症状がある場合には、食べられる工夫をする
・栄養状態が著しく悪い時は、ほかの手段での栄養補給を検討する
EP
・献立に患者の鉱物を取り入れたり、食欲が増進するような工夫をするように家族に指導する
#6長時間の睡眠がとれない
看護診断 睡眠はく奪
関連因子:悪夢
診断指標:不安、焦燥感
看護目標
長期:休息と活動のバランスが最適となる
短期:1)日中の活動量が増加する
2)睡眠薬を復唱することができる
3)入眠する方法を見出すことができる
OP
・感情状態、睡眠状態
・活動量
TP
・就寝時にリラックスする方法を考える
・無理のない起床時刻を設定する
・日中の活動を促す
EP
・患者に対し、心肺や気がかりなことがないか尋ね、言語化させるよう指導する
・休息が必要であることを繰り返し説明する
・睡眠薬を服用するよう指導する
#7自力で更衣、整容行為ができない
看護診断 行為セルフケア不足
関連因子:動機づけの減退
診断指標:衣類を選択することができない、満足のいくレベルに外観を維持できない
看護目標
長期:毎日行為し、整容することができる
短期:1)指示を受けて更衣、整容をすることができる
2)自分の概観について関心を持つ
3)自分から更衣整容ができる
OP
・感情、意欲
・更衣、整容行動
・皮膚の状態、感染の有無
TP
・洗顔洗面に誘導し、必要に応じて介助する
・更衣を促し必要に応じて介助する
・出来たことをほめ、フイードバックする
EP
・患者に対して穏やかな言葉で声掛けをし、セルフケアの必要性を繰り返し説明する
参考資料:疾患別看護過程