中耳炎患者の看護計画
共同問題
RC:出血、感染
看護目標
長期:1)出血の徴候をモニタ施術後出血を起こさない
2)感染を予防する
短期:1)出血の徴候をモニタし早期に発見する
2)外耳からの分泌物を観察する
3)薬剤を正確に管理する
4)咳嗽や石鹸を泡立てた手洗いをする
OP
・耳漏、出血、耳痛、聴力低下
・嚥下痛、発熱、鼻汁、鼻閉間、イライラ感など症状の程度、出現の観察
・ヘモグロビン値、ヘマトクリット値の確認
・白血球数、CRPの確認
TP
・耳漏の程度によって外耳周辺を清潔にする
・入浴時は耳栓をして中耳に水分が入らないように援助する
・嚥下痛がある場合は柔らかい食物を準備する
・ベッド周囲の誇りを除去し環境を整備する
EP
・患者家族に薬物の必要性を説明し正しく薬物管理ができるように患者家族の理解に合わせて説明する
・外耳道の分泌部観察の必要性について説明し出血があれば直ちに報告するように指導する
・食事の前後、帰宅後に含嗽やせっけんを泡立てた手洗いを行う必要性について説明する
・鼻をかむときは片方づつかむ、またゆっくり数秒かけることを指導する
#1知識不足による不適切な薬剤管理やその他の治療の困難に関連した疾患悪化の危険性がある
看護診断 ノンコンプライアンス
関連因子:計画された治療行動に関連する知識と技能
診断指標:随伴症状の悪化、症状悪化の徴候
看護目標
長期:治療の必要性について理解し継続する治療に積極的に取り組むことができる
短期:1)薬物療法の目的や生活を調整することの重要性が言える
2)正確な量、時間に服薬できる
OP
・張力低下の程度、耳漏、耳痛
・悪心、嘔吐、めまい、ふらつき症状の程度、出現状況の観察
TP
・聴力障害や随伴症状が生活にどのように影響を及ぼしているのか、生活のしづらさを把握する
・服薬の時間と量を正確に実施できるように、患者家族と一緒に管理方法を検討する
・持続する耳漏、耳痛、随伴症状の緩和を図るための援助を行う
EP
・中耳炎が悪化するとどのような合併症を引き起こすのか患者家族に指導する
・症状悪化や合併症を予防するために、どのような対策を取ればよいのか患者家族に指導する
・薬物療法の目的、正確に投与することの重要性、また生活を調整することを指導する
#2家族の知識不足により患児の成長・発達が障害されるリスクがある
看護診断 発達遅延リスク状態
危険因子:頻回に繰り返す中耳炎
看護目標
長期:患児家族が治療に主体的に取り組み、年齢に応じた活動ができる
短期:周囲に関心を示し、年齢に応じたADLができる
OP
・症状の出現状況、程度の観察
TP
・患児の興味関心を明確にしそれに応じた援助を行う
・年齢に応じた遊びや活動ができるように環境を整え年齢に応じた他者との相互関係ができるように援助する
EP
・患児家族に炎症の反復や症状悪化の予防のための治療の重要性や生活調整の必要性について年齢に応じた指導をする
・患児家族に遊びや社会活動の必要性について、年齢に応じた指導を行う
#3張力低下・耳鳴りに伴うコミュニケーション障害ある
看護診断 言語的コミュニケーション障害
関連因子:身体的障壁、情動の状態
診断指標:通常のコミュニケーションのパターンを理解・維持するのが困難、選択して傾聴するのが困難
看護目標
長期:聴力低下や耳鳴りの症状が緩和し、コミュニケーションが取れる
短期:1)可能なコミュニケーションの方法がとれる
2)確実に治療を継続することができる
OP
・張力低下、随伴症状の出現状況、程度の観察
・張力低下は左右のどちらの耳か、または両耳か観察する
TP
・現在抱いている思いを表出するように促し、患児家族の対処法を援助する
・円滑なコミュニケーションを図るための援助を行う
EP
・家族にゆったりした気持ちで会話するように指導する
・症状が軽快しても指示された薬物の量、時間、期間を確実に継続するように指導する
#4長期化する随伴症状に伴い自己に対する否定的な感情がある
看護診断 自尊感情状況的低下
関連因子:機能障害、発達上の変化、社会的役割の変化
診断指標:自己否定的な発言をする、状況をうまく取り扱えないと自己を評価する
看護目標
長期:目標をもって主体的に治療に取り組むことができる
短期:1)自分の思いや考えを言葉に出して表すことができる
2)自分の長所が言える
OP
・随伴症状の部位、程度、持続時間、期間などの観察
・自己を否定する言動や罪悪感を表す言動の有無
・睡眠、食欲、セルフケアの状況などの観察
TP
・随伴症状をどのように受け止め、対処しようとしているか傾聴し、誤解があればわかりやすく説明する
・随伴症状の緩和を図るための援助を行う
・患児家族の思いや考えに沿った援助を行う
EP
・患者自身の長期にわたる治療への取り組みについて語り、努力してきたことを言葉で表現するように指導する
#5張力悪化に伴う将来への不安がある
看護診断 不安
関連因子:健康状態、経済状態
診断指標:脈拍数の増加、血圧の上昇、焦燥感
看護目標
長期:難聴についての思いを表出し今後の自分の生き方を語ることができる
短期:1)難聴に関する思いを語ることができる
2)効果的なコーピングを用いることができる
OP
・血圧、脈拍、呼吸
・不眠、食欲低下、倦怠感などの症状の出現状況、程度の観察
TP
・患者の難聴に関する思いを傾聴し共感的態度で接する
・今までに培ったコーピングを想起しそれを用いられるよう援助する
・退院後の生活をどのようにして過ごそうとしているのか確認し、患者の考えに沿える支援を行う
EP
・地域の関連機関や患者会、社会資源の活用について指導する
#6聴力低下、随伴症状により睡眠が障害される
看護診断 不眠
関連因子:身体的不快
診断指標:患者が入眠または睡眠持続困難を訴える
看護目標
長期:熟睡感があると言語で表現できる
短期:1)日中の睡眠時間の量と長さを制限できる
2)治療を正確に続けることができる
OP
・聴力、耳漏、耳鳴、耳閉感、めまいなどの随伴症状の程度、出現状況の観察
・日中の睡眠、活動状況の確認
・覚醒時や日中の倦怠感、頭重感の有無
TP
・夜間は照明を落とし静かな環境を確保できるように援助する
・患者の治療への思いを共感的に受け止め、その思いに沿って治療が維持できるように援助する
EP
・日中の時間と活動のバランスを考えた日課表を一緒に考え指導する
#7随伴症状による苦痛のため食事摂取量が低下している
看護診断 栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
関連因子: 食物の摂取ができない
診断指標:理想体重より20%以上少ない体重
看護目標
長期:随伴症状が緩和し、食事摂取量を増すことができきる
短期:1)随伴症状の薬物療法などを正確に継続できる
2)食事接種の工夫ができる
OP
・随伴症状の程度、出現状況の観察
・随伴症状の原疾患に対する認識の確認
・食事摂取、内容量、摂取間隔、摂取時間の観察
TP
・食事時に安楽な体位保持と転落予防のためベッド策を設置するなど環境を整える
・少量の食物を頻回に分けて食べられるように援助する
・精神的に落ち着いた雰囲気でリラックスして食事ができるよう環境を整える
EP
・薬の作用副作用について説明し薬物の正確な量、決められた時間に内服するように指導する
参考資料:疾患別看護過程