天疱瘡患者の看護計画
#1難治性のびらんがあり疼痛を伴う
看護診断 皮膚統合性障害
関連因子:機械的刺激、ニコルスキー現象
診断指標:皮膚表面の破たん
看護目標
長期:びらんの二次感染を防ぎ症状が軽快する
短期:皮膚の安静と清潔を保つことができる
OP
・水泡形成の部位と程度
・びらんの部位と程度
・疼痛の有無
・掻痒感の有無
・浸出液の有無と程度
TP
・軟膏を伸ばすとき、こすらずガーゼ上で伸ばしてから貼付する
・皮膚にテープを張らず包帯で保護する
・血圧計のマンシェットは直接皮膚に使用しない
・更衣時に衣類の摩擦を避ける
・入浴シャワー浴を毎日行い清潔を保つ
EP
・清潔ケアの指導
・軟膏処置の指導
・摩擦や打撲を避ける
・保清時にタオルでこすらない
・皮膚に直接テープを張らないように指導する
#2口腔粘膜の水疱、びらん形成により食事摂取が困難である
看護診断 栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
関連因子:食物の摂取ができいない
診断指標:食物の不足、理想体重より20%以上少ない体重
看護目標
長期:経口摂取ができるようになる
短期:栄養状態が改善できる
OP
・口腔口唇の水疱形成
・口腔口唇のびらん形成
・疼痛の有無
・食事摂取量
・排泄状態
・栄養状態
TP
・口腔内の清潔保持のためうがいを促す
EP
・食事は熱いもの冷たいもの刺激物辛い物を避けるよう指導する
・良質のたんぱく質を摂取するよう指導する
#3内服薬投与による副作用症状の出現がみられる
看護診断 非効果的抵抗力
関連因子:薬物治療
診断指標:免疫能の低下、掻痒感
看護目標
長期:副作用を最小限にとどめ治療の継続ができる
短期:副作用症状を早期に発見し適切な処置を受けることができる
OP
・感染徴候
・発熱、炎症反応
・消火器症状
・吐血下血
・貧血
・精神症状
TP
・医師の指示のもと的確に投与量・方法を遵守する
EP
・感染予防に関する指導
・服薬管理指導
・症状出現時の対応方法の指導
#4長期にわたり寛解と再燃を繰り返すことによる不安がある
看護診断 不安
関連因子:健康状態の変化
診断指標:イライラ、不眠、緊張した表情
看護目標
長期:不安が軽減され治療を継続することができる
短期:疾患や治療を理解し日常生活を送ることができる
OP
・疾患や治療に対する理解
・社会生活上の支障の有無
・患者家族の心理的な状態
TP
・訴えを傾聴し共感的態度で接する
・説明を十分に行う
EP
・疾患や治療方法に関して患者家族へわかりやすく説明する
・社会資源などの情報を提供する
参考資料:疾患別看護過程