帯状疱疹の看護診断・疼痛
看護診断:帯状疱疹の急性発症に関連した疼痛
看護目標
患者の痛みをとる
徴候と症状
罹患神経の走行に沿った焼けるような刺すような痛み、掻痒、片側性の帯状の発疹、発熱、頭痛
看護介入
① 掻いたり、さすったり、水疱を破ったりしないように注意する
② 患部に冷シップをする
③ オートミール入りかアルミニウムアセテート入り微温湯を使うように勧める
④ もし必要なら鎮痛薬の使用について医師と話し合う。麻酔薬は高齢者では慎重に用いる
⑤ 患者が安らかに休めるようにもし必要なら、精神安定薬の使用について医師と話し合う
⑥ 医師の処方に基づきイドクスリジンを用いる
⑦ アシクロビル軟膏塗布と経口投与について医師に相談する
⑧ アシクロビルの経口投与を行うときは、頻回に血清尿素窒素とクレアチニンの値をモニターする
⑨ 医師の処方したステロイド薬を投与する
⑩ 眼帯状疱疹に医師の指示に基づきトリアムシノロンを投与する
理論的根拠
① 不適切に水泡に触ることはいっそう皮膚を傷つけ、かゆみを引き起こす原因となる
② 冷シップは病変部の痛覚を抑えるのに役立つ
③ オートミール浴やアルミニウムアセテート浴はかゆみのある皮膚を滑らかにし、皮膚をひっかくことで二次的に引き起こす感染のリスクを減らす
④ 急性感染の患者は麻薬性鎮痛薬が痛みをとるのに必要である。このような薬は治療過剰にならないように、また全身性に副作用が出ないように、慎重に用いなければならない
⑤ 精神安定薬は安心とくつろぎを与えてくれる。加齢に伴い一般的に腎機能低下がみられるので半減期の短い精神安定薬を少量用いなければならない
⑥ イドクスリジンの局所使用は回復を早め、痛みと帯状疱疹後神経痛を軽減する
⑦ アシクロビルは発疹の出始めに投与すれば、ウイルスの経過を早め、痛みをひどくさせない
⑧ アシクロビルは高齢者の腎機能を障害する可能性がある
⑨ 医師が帯状疱疹後神経痛を防ぐためにステロイド薬を投与するかもしれない。プレド二ゾロンの短期間の使用は炎症を抑える。しかしステロイド薬の使用はいまだに、特に高齢者については議論のあるところであり、眼帯状疱疹には禁忌である
⑩ トリアムシノロンは、三叉神経の眼神経の帯状疱疹感染のような帯状疱疹による目の合併症の治療に役立つ。
患者目標
疼痛は帯状疱疹の急性発症期に最小限に抑えられる
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン