帯状疱疹患者の看護計画

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帯状疱疹患者の看護計画

#1水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化による神経障害により、疼痛、知覚異常などを招きADLに支障をきたしている

看護診断 急性疼痛

関連因子:損傷の原因となるもの

診断指標:合図による疼痛の訴え、保護的行為、苦悶様顔貌、不穏でイライラしている

看護診断 感覚知覚混乱

関連因子:感覚の伝達の変調、心理的ストレス

診断指標:感覚の先鋭度の変化、通常の刺激に対する反応の変化、焦燥感、落ち着きがない

看護診断  身体可動性障害

関連因子:活動耐性の低下、不快感、疼痛

診断指標:ぎくしゃくとした運動、遅くなった運動

看護目標

長期:確実な薬物療法により皮膚病変、疼痛や掻痒感などが消失し、ADLに支障をきたさない

短期:1)抗ウイルス薬、抗炎症薬を確実に投与する

2)必要な援助を受けながら皮膚上変、疼痛、知覚異常などが軽減し日常生活が送れる

OP

・年齢、免疫能の低下をきたす基礎疾患、治療の有無

・発熱、熱型

・頭痛、悪心、嘔吐、けいれん

・意識障害

・ケルニッヒ徴候

・皮疹の発現時期

・皮膚病変の部位、性状と分布状態、浸出液の有無

・疼痛の有無、強さ、部位、発現時期

・掻痒感の有無、強さ、部位

・知覚異常または麻痺の症状、発言時期

・結膜炎、上皮性角膜炎、虹彩毛様体炎

・顔面神経麻痺、内耳神経障害

・上肢運動麻痺症状、腹壁の膨満

・膀胱直腸障害

・検査データ

・薬の副作用

TP

・重症度に応じて処方された抗ウイルス薬の点滴または内服、外用薬による治療を確実に管理する

・硬膜外チューブを管理する

・疼痛の訴えを傾聴し、疼痛の程度に応じた抗炎症薬が処方されるように医師に連絡する

・皮膚病変を保護し、刺激を与えないようにする

・安静が保たれるように環境を整備する

・知覚異常や麻痺症状の程度に応じた援助を行う

EP

・痛み、掻痒感、知覚異常があり、摂食が困難な場合は看護師に相談するよう説明する

・症状や副作用による苦痛は我慢せず、看護師に伝えるように話す

 

#2皮膚病変から二次感染を起こすリスクがある

看護診断 感染リスク状態

危険因子:慢性疾患、不十分な後天性免疫、不適切な第二次防御機構、病原因子に対する環境的曝露

看護目標

長期:皮膚病変の清潔保持や治療により二次感染が予防でき、皮膚病変の回復が遅延しない

短期:皮膚病変の状態に応じた消毒、治療を行い感染源を除去しながら二次感染を予防する

OP

・皮膚病変の分布の拡大

・皮膚病変の性状

・疼痛、掻痒感の変化

・擦過症や化膿巣の有無

・知覚異常または麻痺の症状の変化

TP

・身体の保清は基本的にシャワー浴を行うが皮膚病変には石鹸を使用せず軽く洗浄し消毒後、抗ウイルス外用薬を塗布し滅菌ガーゼで保護する

・頭部に皮疹がある場合は、皮疹部位には石鹸をつけず洗浄する

・顔面に皮疹がある場合は、石鹸を使用せず洗浄または清拭する

・手浴と爪の保清

EP

・皮膚病変を清潔にする必要性があることを説明し理解を促す

・高齢者や免疫能が低下しやすい基礎疾患を持つ患者には、丁寧に説明し理解を促す

 

#3疼痛や掻痒感が睡眠に影響を及ぼしている

看護診断 睡眠パターン混乱

関連因子:妨害

診断指標:正常な睡眠パターンの変化、熟眠感がないという訴え、睡眠に伴う不満

看護目標

長期:苦痛が軽減し、質の良い睡眠がとれることで治癒が促進される

短期:苦痛が軽減し睡眠がとれる

OP

・疼痛、掻痒感の程度

・入眠の様子

・睡眠時間

・睡眠パターン

・不眠時の様子

・不眠の訴え

TP

・病室などの環境を整える

・面会によって患者が消耗するような場合は、面会を制限する

・疼痛掻痒感などの不眠の原因を確認し、医師が処方された抗炎症薬などを投与する

・入眠できない場合は患者の苦痛や不安の訴えに傾聴しながら入眠を促す

・疼痛掻痒感などが軽減している日中は、できる限り眠らないよう説明する

EP

・疼痛、掻痒感などの苦痛や不安を訴え、入眠できないときは看護師に遠慮なく相談するように伝える

 

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#4ボディイメージの変化に対処できず、混乱が生じている

看護診断 ボディイメージ混乱

関連因子:疾患、疾患の治療、知覚的因子

診断指標:社会的なかかわりの変化、身体の一部を意識的に隠す

看護目標

長期:皮膚病変が治癒し元の状態に戻る

短期:疾患に起因するボディイメージの変化について納得して治療が受けられる

OP

・医療者の顔を見て会話をしているか

・皮膚病変の処置中の表情の変化はどうか

・皮疹、麻痺表情について自分から話すか

・皮疹、麻痺表情についての訴え、不安な様子が見られないか

TP

・皮疹、麻痺表情について、医師から十分な説明がされるように調整する

・皮疹、麻痺表情についての心配や不安の訴えに共感的な姿勢で傾聴する

EP

・皮疹による跡や麻痺表情を残さないために、現在行っている医療処置を具体的に説明する

 

#5薬物療法が継続されないことにより治癒が遅延する

看護診断 非効果的自己健康管理

関連因子:知識不足

診断指標:危険因子を減少させる行動がとれない、疾患に対する注意不足

看護目標

長期:薬物療法に対する理解を促し積極的に治療に参加する

短期:薬物療法を継続し皮疹や疼痛が軽快、消失する

OP

・疾患治療に対する理解

・症状の回復状況

・検査データ:CRP、白血球数、帯状疱疹ウイルス抗体価

・薬の効果と副作用

TP

・薬物療法の必要性の理解を確認し、処方された内服、外用薬の確実な自己管理ができるように援助する

・薬物療法の副作用が出現した場合の対処法を指導する

・皮膚病変の清潔保持と保護を心がけ刺激の軽減方法を指導する

EP

・悪化や再発予防のために処方された内服、外用薬による治療を継続することが大切であることを伝える

・身体の保清、爪の保清を保持する

・顔面などの色素沈着への不安がある場合は直射日光を避け防止やマスクなどで覆う

・ストレス、睡眠不足、疲労を避け生活リズムを整えるよう指導する

 

参考資料:疾患別看護過程

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