夫の闘病・退院すると言う不穏の夫

退院すると言う不穏の夫

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不穏の夫

担当医との面談の前に、夫に会う。不穏だった。今まで菓子などの間食を摂取していたが、その間食摂取の許可も出なくなってしまったらしい。

 

夜間不眠の為の疲労感に、間食も摂取できないのだ。夫は「死んだ方がましだ」「こんなところで死にたくないから強制退院の手続きをとってくれ」と私に言った。

 

表情も険しく、穏やかな夫の表情はどこにもなかった。

 

看護師が夫の対応をしている間に、私はそっと病室を出た。夫の苦痛に察しがつくのに病気の夫を見守ることしかできない。

 

長期的に見れば確かに私は夫を良い方向や良い環境へ導いていると思うが、すぐに夫の苦痛を除去してあげることはできないのだ。今はただ夫の言葉を聞いて受け入れるだけだ。

 

廊下に出た私の耳に、苦しい時に飲む薬を夫に勧めている看護師の声が入ってきた。

 

その後担当医との面談。外出は禁止。面会も1週間に2回までと制限。この病棟は7月いっぱいまでで、8月からは他の病棟に転棟になることなどを聞かされた。

 

入院して最初に治療した薬は効果があったのだが、低ナトリウム血症という副作用が出てしまった。その後は他の系統の薬を投与し症状を見ているのだが、良い効果がみられていない状況とのことだ。

 

入院が長くなることを予測し他の病棟に転棟になるらしい。自宅に戻ってから夫から電話があった。薬が効いてきたのか少し落ち着いた静かな口調になっていた。

 

「もうあきらめた、今までありがとう、幸せななってくれ」すごく落ち込んでいる様子が手に取るようにわかった。

 

しかし病気を治せば退院できるのだから。頑張るしかないよ父さん。

 

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