逆流性食道炎患者の看護計画
#1胸やけ、胸痛、しみる感じ、つかえ感、嚥下痛、嚥下困難による苦痛がある
看護診断 安楽障害
関連因子:消化器系の障害
診断指標:苦痛を感じる症状の訴え、疾患に関連する症状、不安、安楽でないという訴え
看護目標
長期:食道粘膜の障害による痛みや不快感が改善する
短期:痛みを緩和する方法を理解できる
OーP
・胸やけ、心窩部痛、胸痛、嚥下痛の程度
・食事摂取状況、嚥下困難の症状の変化
TーP
・食道炎による痛みが強い場合は、医師の指示により制酸薬や鎮痛薬を使用する
・入浴や足浴、マッサージなどのリラクゼーションを行い、心身の安静を保つ
・症状に伴う不安や恐怖などの訴えを十分に聞く
・過食や高脂肪職を控えるよう食事指導を行う
EーP
・音楽を聴く、絵を描く、本を読む、深呼吸をするなど効果的なリザクレーション法を話し合う
・手術後の嚥下困難は時間の経過とともに緩和し約1~2か月で消失することを話す
・指示された薬を勝手に中断しない
・就寝時は上半身を挙上する
#2嚥下障害により食事摂取量が低下する
看護診断 栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
関連因子:食物の摂取ができない
診断指標:1日推奨食物摂取量より少ない不十分な食事摂取の訴え、嚥下や咀嚼に必要な筋力の低下
看護目標
長期:摂取方法を工夫し、苦痛なく必要な栄養を取ることができる
短期:1)嚥下障害の原因と見通しについて理解できる
2)症状に合わせて食事摂取内容や方法を選択できる
OーP
・食事摂取状況、嚥下困難の症状の変化
TーP
・苦痛なく嚥下できる食事形態や食事行動を共に見つける
・嚥下困難や食事摂取量低下による不安を表出できるよう配慮する
EーP
・手術後の嚥下困難は時間の経過とともに緩和し約1~2か月で消失することを説明する
・乾燥した食品は避け水分の多い食品をとるよう、また食事中に茶や汁物を少しづつ飲むように説明する
・大きい塊のまま飲み込まず、時間をかけて十分に咀嚼してから飲み込むように説明する
#3薬物療法の継続や生活習慣、行動の改善が行われず、逆流性食道炎が悪化する可能性がある
看護診断 非効果的自己健康管理
関連因子:知識不足、治療計画に対する不信
診断指標:指示された治療方法を実施することが難しいと言葉に出す、治療計画を毎日の生活に組み込むことができない
看護目標
長期:薬物療法や生活上の自己管理が継続される
短期:1)生活習慣・行動を変更する必要性を理解し、実施することができる
2)薬物療法を継続することの必要性について理解できる
OーP
・食習慣、生活行動の変更や薬物療法の実施に関する理解や受け止め
・逆流予防のために望ましいとされる生活行動の実施状況
EーP
・高脂肪食、カフェイン、アルコールの摂取、喫煙を避けるように説明する
・食事はゆっくりと時間をかけて食べ一度に大量の食物を摂取しないように説明する
・睡眠時は上半身をやや高くして就寝するように指導する
・コルセット、ガードルなどは使用せずベルトは緩めにする、前かがみで長時間作業しない、重い荷物は持たないことを説明する。また肥満や便秘を改善するように指導する
・医師に指示された薬を正しく服用するよう説明する
・逆流性食道炎は再発しやすいため、長期間にわたり薬物療法を継続する必要があることを説明する
参考資料:疾患別看護過程