シェーグレン症候群患者の看護計画
#1乾燥症状や関節痛、全身症状によって苦痛をきたしている
看護診断 安楽障害
関連因子:疾患
診断指標:安楽でないという訴え、苦痛を感じる症状の訴え
看護目標
長期:安楽になったと言葉に出して表現できる
短期:苦痛の症状が緩和する
OーP
・乾燥症状
・関節痛の部位
・全身症状、出現症状の有無
TーP
・室内の温度湿度の調整を行う
・直射日光や目の疲労を避ける
・必要時点眼薬、点鼻薬、人口唾液の使用を介助する
・安楽な体位の工夫、マッサージを行う
・保温を行う
・鎮痛薬を使用する
EーP
・鎮痛薬を使用する
・室温や湿度の調整について説明する
・点眼薬、点鼻薬、人口唾液の使用方法について説明する
・安楽な体位の取り方について説明する
#2唾液の分泌低下により口腔粘膜を損傷する恐れがある
看護診断 口腔粘膜障害
関連因子:唾液の分泌欠如、または減少
診断指標:口腔の疼痛または不快感、絶対、行内乾燥症、口内炎、白いプラーク、口臭
看護目標
長期:口腔内が正常に保て、口腔粘膜のトラブルが起こらない
短期:口腔内の乾燥状態が緩和する
OーP
・口腔内の状態
・乾燥症状、症状の程度
TーP
・含嗽、口腔ケアを行う
・食事内容、形態を工夫する
・湿度の調整、加湿器を調整する
・人口唾液を使用する
・潰瘍部に軟膏を使用する
EーP
・口腔内を清潔に保つことの重要性を説明する
・含嗽、歯のブラッシング法について説明する
・食事の内容、形態について説明する
#3免疫機能の低下、口腔内乾燥、ステロイド薬治療によって感染の危険がある
看護診断 感染リスク状態
危険因子:免疫抑制、組織の破たん、薬物
看護目標
長期:感染を起こさない
短期:感染予防に対する適切なケアを実施することができる
OーP
・発熱の有無や熱型
・検査データ
・咳嗽、喘鳴、肺雑音などの呼吸器感染症の有無
・口腔粘膜や歯肉の発赤、腫脹、疼痛
TーP
・手洗いやうがい、口腔ケアを徹底する
・室内の湿度を調整する
・口腔内の潰瘍部には軟膏を使用する
EーP
・感染症の危険性、予防法について説明する
#4疾患治療今後の経過に対する知識が不足しており自己管理が必要である
看護診断 非効果的自己健康管理
関連因子:知識不足
診断指標:健康目標を達成するには効果的でない選択を毎日の生活の中で行う、危険因子を減少させる行動をとることができない
看護目標
長期:症状の悪化予防、症状緩和の方法を理解でき継続して自己管理ができる
短期:症状の悪化予防、症状緩和の方法が理解でき実施できる
OーP
・認知能力、習慣的行動
・セルフケア能力の程度
・周囲の理解と支援状況
TーP
・患者の意思を尊重しながら信頼関係を確立する
・患者の理解の程度や習得状況に合わせてパンフレットなどを使用して説明し、計画を立て指導を行う
・乾燥症状への対応、感染予防への対応、その他症状への対応、服薬指導、定期的な受診を勧める
・指導終了後にチェックリストを用いて評価し、必要時に再指導を検討する
・同疾患患者とのかかわりの場や、社会的資源の活用方法を紹介する
EーP
・定期的に受診するよう説明する
・社会資源の利用法について説明する
・患者のセルフケア能力が不足している場合は家族に指導する
#5治療の長期化や社会的役割の変化による不安を抱えている
看護診断 不安
関連因子:健康状態に対する脅威または健康状態の変化、環境の変化、相互作用パターンの変化、ニーズが満たされない
診断指標:緊張の増大、落ち着きがない、人生の出来事の変化による心配を表明する、不確かさ、苦悩する
看護目標
長期:不安が軽減され心身ともに安定した家庭生活を送る準備ができる
短期:不安の内容が表出できる
OーP
・言葉による表現、表情、態度の現れ方
・不安の内容と程度、睡眠状況
・疾患に対する理解や認識の程度、患者の状況判断能力
・キーパーソン、経済的・社会的状況の問題
TーP
・不安の原因となっている内容や程度をアセスメントする
・共感的態度、受容的態度で対応し声掛けタッチングなど、患者とのかかわりを多くすることで信頼関係を築く
・医師からの疾患、治療検査について説明が理解できているか確認し、必要時に再度説明を依頼する
・必要時には社会的支援の方法を説明する
・不安の内容は記録し、医療者間で情報を共有する
・家族とも協力してかかわっていく
・散歩や趣味など気分転換を図る
・十分睡眠がとれるよう環境を調整する
EーP
・不安なことがあればどんなことでも医療者に伝えるよう説明する
・患者を支援する福祉制度について説明する
参考資料:疾患別看護過程