早期離床の必要性について
早期離床の必要性
寝たきり老人の定義と現状
寝たきりゼロへの10か条
- 第1条 脳卒中の骨折予防 寝たきりゼロへの第一歩
- 第2条 寝た切りは 寝かせきりからつくられる 過度の安静 逆効果
- 第3条 リハビリは 早期開始が効果的 始めよう ベッドの上から訓練を
- 第4条 暮らしの中でのリハビリは 食事と排泄、着替えから
- 第5条 朝おきて まずは着替えて身だしなみ 寝・食分けて生活にメリハリ
- 第6条 「手は出しすぎず 目は離さず」が介護の基本 自立の気持ちを大切に
- 第7条 ベッドから 移ろう移そう車椅子 行動広げる機器の活用
- 第8条 手すり付け 段差をなくし住み易く アイデア生かした住まいの改善
- 第9条 家庭でも社会でも 喜び見つけ みんなで防ごう閉じこもり
- 第10条 進んで利用 機能訓練 デイサービス 寝たきり無くす人の和 地域の和
寝たきりのきっかけ
寝たきりの成因と要因
寝たきりの成因には以下の様々な要因が絡んでいると考えられます。
- ①身体的要因:病気や加齢による身体機能の低下が要因となったもの
- ②心理的要因:喪失感、不安感、恐怖感などによる活動性の低下、依存性の増大が要因となったもの
- ③社会・環境的要因:人間関係、住環境など物理的なもの、経済的なことが要因となったもの
寝たきりが及ぼす影響
身体的影響
長期臥床による廃用症候群
長期的におこるもの
- ①筋の萎縮、筋力が低下する
- ②骨粗鬆症、骨がもろくなり骨折しやすくなる
- ③筋の短縮
- ④異所性化骨、麻痺部位の筋にみられやすい、骨粗鬆症も併存することが多い
- ⑤褥瘡
- ⑥腰痛、背痛
- ⑦末梢循環障害、浮腫、皮膚、爪の萎縮
- ⑧動脈血栓症、下肢におこりやすい
全身的におこるもの
- ①起立性低血圧、血圧調整反射の低下によっておこる、眩暈・脳貧血症状を呈する
- ②沈下性肺炎、尿路感染、尿路結石、褥瘡からの敗血症
- ③食欲不振、痩せ、便秘
- ④低たんぱく血症
- ⑤精神機能の低下、老年ボケ、うつ状態、痴呆の進行
精神的影響
- 自分が寝たままの状態になると若い人でも滅入ってしまいます。
- それが高齢者でまして何らかの機能障害を持っているのであれば「自分はもう元気になれないのではないか」「起き上がれないのではないか」という絶望感、不安感、恐怖感が募ります。そのため、反応性抑うつ状態(沈みがち、無気力、くらい9に陥ったり、仮性痴呆や睡眠障害などの精神心理的傷害を起こします。
- また言語障害がある場合には、自分の意思を伝えることが困難な為、イライラしたり不安になり、食欲低下、不眠、無気力などの抑うつ状態に陥ることが多いものです。
急性期治療で作られる寝たきりの危険性
治療の為に取り付けられる様々なチューブは、患者を行動制限するわけですからそれが長期に渡ればわたるほど、寝たきり予備軍を作り出すことになります。
従ってナースはケアの立場から医師と協議し、できるだけ早くチューブを抜くこと、抜けない場合でも工夫して早期離床を心がけることが大事です。
参考資料:寝たきりにさせない看護技術