高血圧の看護診断・身体可動性の障害の潜在的状態
看護診断:降圧剤治療の副作用に関連した身体可動性の障害の潜在的状態
看護目標
可動性の減少を防ぐ
徴候と症状
気の進まぬ外来通院、関節の硬直、筋力低下、姿勢を変えるとき軽い頭重感やめまいを起こす、外来通院の頻度が減少していき疎遠になる、側臥位の姿勢から起立するときに収縮時血圧が20mmHg低下するか、拡張期血圧が10mmHg低下する
看護介入
① まず最初に患者の可動性と活動性の程度を評価しておき、その後引き続きそれぞれの時点での健康評価をする
② 日常の運動、例えば歩行や入浴の時などに脈拍をチェックするように患者に指導する
③ 患者の血圧と脈拍を調べ記録する
・ 仰臥位で両腕の血圧を記録する
・ 介助して患者を立たせ軽い頭重感やめまいがあるか尋ねる
・ 3分患者を立たせてから、再び血圧を測る(はかるときは血圧の高いほうの腕を使う)
・ 血圧にかなりの低下があるか、心拍数に変化がないか、新しい症状があるかを注意する。もし起立性低血圧の兆候が見られたら毎日ゆっくり起き上がってベッドから出てベッドの横に足を下ろし急に姿勢を変えないように、歩行器や杖のような保護器具を使うよう助言する
④ 三環系抗うつ薬や抗精神病薬などのような、起立性低血圧の原因となりうる薬が出ていないか処方箋を調べる。気づいたことを医師に知らせる
⑤ 脱水、長期のベッド上安静あるいは運動制限、末梢血管疾患などにより循環血液量の減少がないか調べる
理論的根拠
① 最初の評価は看護師や健康管理チームのメンバーが患者の経過を観察するのに役立つ基礎データとなる。定期的な観察は可動性や活動性の程度におけるどんな低下も、あるいは改善をも知るうえで役立つ
② 日常の運動での頻脈は血圧上昇を示す
③ 血圧や脈拍の適切な評価と記録は、起立性低血圧のような潜在的問題を発見するのに役立つ
・ 末梢血管の異常があると、血圧は左右の腕で異なる可能性がある。高い血圧の方の腕を通常の血圧測定に用いる
・ 立ち上がった時の軽い頭痛やめまいは起立性低血圧を示す
・ 加齢とともに圧受容器反射は減退し、血液は下肢に滞る傾向となり、心臓への血液量は減少する。このことをチェックすれば潜在する起立性低血圧を発見できる
・ 起立性低血圧を起こす患者はめまいを最小限に支店等による障害を防ぐために特別の注意を払うべきである
④ 患者の処方箋を確認することは、起立性低血圧を防ぐために必要である
⑤ これらの状態では、患者は起立性低血圧になりやすい
患者目標
身体可動性は弱められることはない
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン