寝衣交換の手順とポイントについて

寝衣交換の手順とポイントについて

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寝衣交換の手順・患者は発汗、分泌物、排泄物などにより汚染しやすい状況にある

・ 発汗量は夏では1,5ℓ/日もあると言われており、入浴などによる清潔保持にも制限があるので汚染しやすい

・ 意識障害のある患者や体動制限がある患者は自分で衣類を交換することができないため、看護師が適宜交換しなければならない

・ここでは、臥床状態にある患者の寝衣交換の方法について示す

目的

・ 皮膚の聖地機能を良好に保つ

・ 気分を爽快にし心地よくする

適応

・ 病状や身体的制限により寝衣の着脱が自分でできない患者

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実施するために必要な情報

・ 上肢下肢の障害

・ 体動可能な範囲

・ 創のある部位

・ 疼痛の部位

・ 輸液

・ ドレーン類の装着の有無

・ 認知障害

・ 寝衣の種類

方法

・ 四肢のどちら側を先に着脱するか

・ 寝衣の種類

援助の評価

・ 心地よさ

・ 交換中の苦痛の有無

・ 交換後の患者の状態

寝衣の交換

患者:患者の寝衣交換の理由、方法、所要時間を説明し同意を得る

看護師:手指衛生

下準備:

① 必要物品を揃える

② 室温を22~24度に調整し空調の風邪が当たらないように窓やドア、カーテンを閉める

③ プライバシーに配慮する

④ 患者がベッド上で体動しやすいように、不要のものは片づけ、オーバーテーブルを足元へ移動する

⑤ 看護師のボディメカニクスを考慮しベッドの高さを調整し固定されていることを確認する

点滴中の患者の寝衣交換のポイント

・ 輸液ルートの刺入部が抜去したり接続部が外れないように確認し細心の注意をはらう

・ 輸液ラインを一時的にクレンメを止めて良い場合は、止めて実施する

・ 輸液を持続しながら寝衣交換しなければいけない場合は、血液が逆流しないように輸液バッグやボトルを患者の身体より低くしたり逆さにしない

・ 輸液を行っていない上肢を先に脱がせ、次に輸液スタンドから輸液を外し、輸液を行っている上肢の袖を脱がせて輸液バッグやボトルを袖口から抜く

・ 寝衣の袖が狭い場合は輸液バッグやボトルと輸液ルートの接続部をしっかりと把持し外れないように注意する

・ 寝衣を着せる時は輸液を行っている上肢の袖口から輸液バッグやボトルを先に通して、次に上肢を通し輸液を輸液スタンドにかけ、次に輸液を行っていない側の上肢を着せる

・ 袖を通し終わったら、直ちに輸液ルートのクレンメを開き、医師の指示通りの輸液速度に調整する

和式寝衣交換の実際

① 患者の寝具を胸部まで下げ、上からタオルケットをかける

② 患者にタオルケットの襟元部分を持ってもらい、寝具を足元まで下げ扇子折にしてたたむ

③ タオルケットの下で紐をとく

④ 手前(看護師側)から脱がせて着せる・上肢に障害がある場合には、健側から脱がせて患側から着せる※脱がせる時には、肩を脱がせてから上肢を脱がせると脱がせやすい

⑤ 余分な露出を避けるようにタオルケットで覆いながら着脱していく

⑥ 脱がせた側の寝衣は、肌に接していた側を織り込むようにして体の下に丸めて押し込んでおく

⑦ 脱がせた上肢に清潔な寝衣の袖を通し襟元を合わせ、前身ごろを体に合わせる

⑧ 側臥位になることが可能なら、患者を側臥位西汚れた寝衣を丸めて身体の下に回し、清潔な寝衣を背部に回し、背縫いを背部の中心に合わせる

⑨ 紐の中心を腰部の位置で背中に合わせ、皺を伸ばして端を前に回す。

⑩ 埃を立てないように、ベッド上の誇りを粘着テープ付きローラでからめとり、シーツの皺を伸ばし患者を支えながら仰臥位にする

⑪ 反対側の汚れた寝衣を上肢から脱がせる

⑫ 着ていた寝衣は内側が外に出ないようにまとめて取り除く

⑬ 清潔な寝衣を下から引き出し、襟元を肩の方向に引き上げるようにする

⑭ 脱がせた上肢の肘関節部を持ち、袖に手を通して肘を伸ばして着せる

⑮ 左前身頃が上になるように前を合わせる

⑯ 紐を横に結び寝衣を整える

⑰ 患者に膝を立ててもらい、背縫いの部分を掴んで軽く引き、背部の中心を合わせてしわを伸ばす

⑱ 袖口を持ってしわを伸ばす

⑲ 両方の裾のわきの縫い目の部分をもってしわを伸ばす

⑳ 患者の着心地を訪ね、身体の位置がずれていないか確認し安楽な体位にする

㉑ 足下から寝具をかけながらタオルケットを外し、寝具を整える

㉒ 手前のベッド柵をセットして、ベッドの高さ、オーバーテーブル、ベッド上の物品を元に戻す

㉓ カーテンを開ける㉔手指衛生を行う

丸首パジャマの交換の実際

① パジャマにボタンがついていれば全部外す

② かぶりの場合は、上着の裾を胸部の位置まで上げる・背側は、背部に手を入れ肩の方向に上げる

③ 肘関節が抜けやすいように、そでぐりの所に手を入れる

④ 肘関節を曲げて、片方ずつ上肢を脱がせる※上肢に障害がある場合は健側から脱がせ観測から着せる

⑤ 反対側の上肢を脱がす

⑥ 袖、襟ぐりを持ち頭部から脱がせる・顔の前で大きく弧を描くように頭部を抜く

⑦ 脱いだパジャマは、丸めてランドリーバッグにいれる。・落屑が飛散しないように肌についていた方が表に出ないように丸める

⑧ 清潔なパジャマを頭から着せたら、袖をたぐり寄せて、患者の関節を支えながら袖口から看護師の手を通す

⑨ その袖の中に患者の手を引き入れて腕を通す

⑩ 反対側の上肢も同様に袖を通す

⑪ 後身ごろを裾の方に引き下ろす

⑫ 上着のしわを伸ばす

⑬ 腰部に手を入れ臀部を少し浮かせる

⑭ 着ていたパジャマのズボンを膝関節まで下げる

⑮ 片足ずつズボンを脱がせ、上着と同様に丸めてランドリーバッグに入れる。その時に落屑が飛散しないように肌に着いた埃が表側に出ないように丸める

⑯ 可能なら膝を立ててもらう

⑰ ズボンを手繰り寄せて、足を入れやすいように看護師の手で広げる・自分で足を動かせない場合は⑳に進む

⑱ ズボンを片側の足にはかせる

⑲ 反対側も同様にする

⑳ ズボンを手繰り寄せて、看護師の手を足側から通し、その中に患者の下肢を引き入れる

㉑ ズボンを膝まで引き上げる

㉒ 腰部の下に手を入れ臀部を浮かせてズボンを引き上げる

㉓ 患者に左右交互に側臥位になってもらい、ズボンを腰まで引き上げる

㉔ しわがないように、ズボンと上着のしわを伸ばし整える

㉕ ベッド上に埃やごみがあれば、粘着テープ付きローラでからめとる

㉖ 仰臥位になってもらい前側を整える

㉗ 足下から寝具を伸ばしながら、タオルケットを外し寝具を整える

㉘ 手前のベッド柵をセットにして、ベッドの高さ、オーバーテーブル、ベッド上の物品を元に戻す㉙カーテンを開ける㉚手指衛生を行う

 

参考資料:看護技術プラクティス

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