子宮筋腫患者の看護計画
#1子宮摘出、衣類の汚染、頻尿により自己尊重の意識が低下している
看護診断 自尊感情状況的低下
関連因子:ボディイメージの混乱、機能障害、喪失
診断指標:自己否定的な発言をする、優柔不断な行動
看護目標
長期:自己尊重の意識を維持しQOLを高めることができる
短期:1)ヘルスマネジメントの方法に関する適切な知識を持つことができる
2)自己尊重意識を維持しようという意思を持つことができる
3)ヘルスマネジメントの方法を実施することができ、自己尊重を高めることができる
OP
・自己に対する発言や行動の腫脹性を観察する
・ボディイメージ、自身について確認する
・衣類の汚染や頻尿、その他の健康機能について観察する
TP
・リラクゼーション法、悪心や動機が見られる際の内服薬の使用方法について検討し、指導の場を設けて情報提供する
・日常生活における大量の不正性器出血時の便利な用具紹介や活用方法の指導の場を設ける
・患者会などを紹介し、情報収集や交換の場として活用することを促す
EP
・自己尊重意識を維持することの重要性を説明する
#2貧血による心肺機能の低下、疲労感や不快感、薬の副作用のためADLが低下して役割遂行が停滞している
看護診断 非効果的役割遂行
関連因子:役割モデルの不足、ストレス、葛藤、不適切なヘルスケアシステムとの連携、疼痛、抑うつ
診断指標:変化に対する不十分な適応、不確かさ、役割緊張、悲観主義、不安または抑うつ
看護目標
長期:身体状況に応じた役割遂行ができADLを維持できる
短期:1)疾患に対する適切な知識を持ち、適度なADLを維持することの重要性を理解する
2)役割を維持しながらADLを維持する意志を持つことができる
3)適切なADLを実施できる
OP
・患者の持つ役割への適応状況を観察する
・役割に対する思いを観察する
・役割を遂行するにあたって支援者の存在を確認する
・貧血、心肺機能、自律神経系の機能を確認する
・疲労感や倦怠感を確認する
・自己への意識を聞き出し、抑うつの有無を確認する
TP
・健康状態に応じたADLの方法について検討する
・抑うつ状態に対するカウンセリングの機会を設ける
・医師と連携を取りながら支援してくれる人との疾患に関する話し合いの場を設ける
EP
・健康状態に合わせた役割を果たしADLを維持することの重要性を説明する
・独自の判断で健康状態を悲観したり無理をしたりしないように説明し、医療者が支援することを伝える
#3知識不足により適切な健康管理行動がとれず、服薬コンプライアンスの低下、術後回復の遅れ、水分食事の過剰な制限が見られる
看護診断 非効果的自己健康管理
関連因子:知識不足、家族間の不調和、ヘルスケアシステムの複雑さ、重症であるという思い込み
診断指標:指示された治療方法を実施するのが難しいと言葉に出す、治療計画を毎日の生活に組み込むことができない、危険因子を減少させる行動をとることができない
看護目標
長期:健康管理行動を理解し、疾患の進行を遅らせるような行動を自立して行えるようになる
短期:1)薬や予防法、健康管理行動の効果を理解し生活を調整できる
2)自主的に健康管理行動に取り組む意思を示すことができる
3)自立して健康管理行動を実施できる
OP
・症状の部位、程度の観察
・健康管理方法に対する言葉や表現の観察
・健康管理に関する知識や理解状況の観察
・家族関係の観察
・症状にあ値する理解の観察
TP
・心肺機能への負担、貧血の程度に応じて必要な活動の補助具を検討する
・医師と連携を取りながら家族を交えて、疾患に関する話し合いの場、援助の場を設ける
EP
・治療の効果に合わせた生活の調整を指導する
・健康管理行動に困難さを感じた場合は、自分の判断で中断するのではなく、医療者に相談することを指導する
#4貧血に伴う起立性低血圧により転倒しやすい
看護診断 転倒転落リスク状態
危険因子:起立性低血圧、不眠、貧血、立ちくらみ、尿意急迫
看護目標
長期:転倒の危険性を認識し予防のための適切な行動をとることができる
短期:1)転倒の危険性が高いことと、転倒がもたらす新たな問題について理解できる
2)転倒を予防する意志を持つことができる
3)転倒予防のための方法を実施できる
OP
・バイタルサイン、睡眠状況
・貧血、立ちくらみ、尿意について確認する
TP
・ヘルスマネジメントとして身体指標へ関心を持つように促し、測定方法や観察方法を指導する場を設ける
・起立時や尿意が切迫した際の行動について指導する場を設ける
EP
・転倒の危険性と予防の重要性を説明する
参考資料:疾患別看護過程