子宮がん患者の看護計画

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子宮がん患者の看護計画

#1治療の後遺症により排尿障害をきたしている

看護診断 排尿障害

関連因子:手術による暴行周辺の神経・組織への機械的刺激による損傷、放射線照射による膀胱組織の繊維化

診断指標:尿意切迫、頻尿、尿閉、残尿感、排尿困難感、浮腫、尿量減少

看護目標

長期:排尿に関する環境調整や排尿時の効果的な補助方法を習得し排尿障害に順応した行動をとることができる

短期:1)環境調整や補助的な排尿方法の習得の重要性を理解できる

2)補助的な排尿方法を実施できる

OP

・手術の術式と手術時の膀胱周囲の神経や組織の損傷の有無と程度

・放射線療法の照射部位と照射量の累積量

・症状、出現状況の観察

TP

・頻尿や尿意切迫の程度により、トイレに近い病室の検討をする。または室内でのポータブルトイレの設置を検討する

・残尿量が医師の指示以上である場合、再度膀胱留置カテーテルを挿入し、その後適宜排尿訓練を継続する

・医師と連携して尿道口周辺の皮膚への軟膏の処方を検討し塗布する

EP

・適度な水分摂取の必要性を説明する

・頻尿や尿意が切迫する機序を説明する

・膀胱訓練をする場合は膀胱内貯留時間を把握し、尿意を感じる時間とカテーテル開放後に流出する尿量を確認し状況を理解してもらう

・必要に応じて室内でのポータブルトイレの使用や補助具の使用を勧める

関連因子:手術による直腸周辺の神経、組織への機械的刺激による損傷、放射線照射による超組織の繊維化

診断指標:硬い有形便、排便回数の減少、排便量の減少、復命、直腸の充満感に圧迫感、排便時のいきみ、腸音の亢進

 

看護目標

長期:排便に関する環境調整や効果的な補助方法を習得し、排便障害に順応した行動をとることができる

短期:毎日、排便感覚をえることができ、不快な腹部症状が持続することがない

OP

・手術の術式と手術時の直腸周囲の神経や組織の損傷の有無と程度

・放射線療法の照射部位と照射量の累積量

・症状、出現状況の観察

TP

・医師と連携をとりながら、排便促進または下痢の緩和のための処方を検討する

・適度な水分摂取を促す

・適度な運動を促す

EP

・便秘や下痢が手術や放射線療法の影響によることを、機序を含めて説明する

・適度な水分摂取の必要性を説明する

・適度な運動の必要性を説明する

・必要に応じて室内でのポータブルトイレの使用や補助具の使用を勧める

 

#2女性生殖器系疾患であるため、女性意識や自尊心が低下する危険性がある

看護診断 自尊感情状況的低下リスク状態

危険因子:ボディイメージの混乱、機能障害、認知の不足、身体疾患、社会的役割の変化(パートナーとの関係)

看護目標

長期:自己に対する価値観を見出し、女性意識や自尊心を維持して、安定した社会生活を送ることができる

短期:1)自己の内面と向き合うことができる

2)自己の存在価値を見出し、適度な自信を持つようになる

OP

・パートナーとの関係を含む対人関係における自身の価値や孤立感に関する発言の有無を観察しその内容を記録する

・今回の疾患の診断や治療以前と現在の問題へのコーピングの違いについて確認する

TP

・リラクゼーション法の実施

・カウンセリングの実施

EP

・自己尊重の重要性を説明する

 

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#3疾患の進行及び治療に伴う症状の変化に戸惑いがあり、健康管理において無力を感じる危険性がある

看護診断 無力感リスク状態

危険因子:急激な身体損傷・機能低下、治療経過とともに変化する身体症状、自己尊重の状況的な低下、ボディイメージの混乱

看護目標

長期:疾患や治療について適切に理解し今後起こりうる症状の変化を予測し、予防法を実践したり症状緩和のための自主的な行動をとったりしながら、可能な範囲の中でコントロールできているという感覚を持つことができる

短期:疾患や治療に関する情報を習得し、症状緩和のための方法を実践することで、安楽を得られるという体験ができる

OP

・身体損傷や機能低下の状況の観察、変化した時期やその後の変化の様子を捉える

・自己尊重の程度やボディイメージの内容、問題への取り組みに関する患者の発言を観察する

・現在の治療計画とそれに関する理解の程度を観察する

・パートナーをはじめ周囲の人との関係性において、疎外感を感じている様子がないか観察する

・感情の表出の仕方を観察する

・ケアへの参加や意思決定場面での参加の様子を観察する

TP

・症状が発現した場合には対処し、症状が軽快したことを患者とともに確認する

・カウンセリングの機会を設け、治療計画に関する患者の理解を確認したり治療による成果が見られる場合は患者とともに確認したりする

・キーパーソンに対して孤立感を抱いている場合は、キーパーソンとの面接、または患者とキーパーソンの両者を交えた面接の機会を設ける

・患者の話に耳を傾ける姿勢で対応するとともに、認知行動療法、またはコーチングの技法を用いた対応をする

・抑うつ徴候が発現した場合は、医師と連携して専門家に相談する

EP

・症状の発現や変化を認めた場合、治療や疾患との関連性を患者が理解し、許容できる表現で説明する

・治療計画及びその成果について、患者が理解し許容できる表現で適切に説明する

・キーパーソンに対しその存在意義を説明し、患者へのかかわりの重要性について説明する

・抑うつの傾向が発現し、専門家が患者への対応に加わる際に、患者に専門家を紹介し患者の治療二チームとしてかかわる子トンボ重要性を説明する

 

参考資料:疾患別看護過程

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