外科的ケアの看護診断・思考過程の変調

外科的ケアの看護診断・思考過程の変調

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看護診断:全身麻酔による意識レベルの低下に関連した思考過程の変調

看護目標

術前の精神機能レベルに回復するよう援助し、自己損傷を防ぐ

徴候と症状

傾眠の延長。精神状態の頻回な変化。支離滅裂の言動、不穏状態。明瞭な状態と見当識障害の状態を繰り返す

看護介入

① 塩酸フルラゼパンなどの長時間作用型鎮静薬の術前使用を避ける。もし鎮静薬が必要ならオキサゼパムのような短時間作用型を投与する

② 患者が反覚醒状態や、言動や外的刺激により覚醒しないようであれば、継続的に患者のバイタルサインを観察する。気道を確保するために適切な体位を保つことで、五円を防ぎ、環境の促進に努める。頻回に患者を刺激し、深呼吸を促す

③ 患者が不穏状態で興奮し言動が支離滅裂のようであれば、患者を落ち着かせるように試み、場所、時間、人物を把握させる。事故損傷を防ぎ、術中の麻酔薬の種類や投与された術前薬について確認する

④ アルツハイマー病患者の家族に対し、手術直後は家族の一員または個人契約看護師が付き添うよう指導する

⑤ 興奮や錯乱の患者の安全を確保する

 

理論的根拠

① 長時間作用型鎮静薬は、術後の見当識障害や健忘症を引き起こし回復過程を妨げる。短時間作用型の薬剤は麻酔薬の作用を高めることはなく、術後鎮痛薬の効果を妨げることもない

② 延長する傾眠状態は、高濃度の麻酔薬を長時間使用した際、または複数の麻酔薬を使用した際に起こりうる。

③ おそらく患者が離脱期せん妄を経験していることが考えられる。離脱期せん妄をとは、術後の短期間にみられる麻酔後興奮状態であり、体動の増加、見当識障害、支離滅裂な言動などを患者は経験する

④ 患者がなじみのない病院で術後に覚醒した際に、付き添う家庭または個人契約看護師の存在は患者が状況を把握するのに役立つ

⑤ 錯乱の患者や見当識障害のある患者は、自己損傷しうるし、経鼻胃管や静脈ルート抜去する危険がある

患者目標

精神状態の変調による傷害や外傷により苦しむことがない

 

 

参考資料:看護診断に基づく高齢者ケアプラン

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