摂食嚥下障害患者の嚥下しやすい姿勢とは?

摂食嚥下障害患者の嚥下しやすい姿勢とは?

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摂食嚥下障害患者の嚥下しやすい姿勢

安全で嚥下しやすいのはどのような姿勢?→どの程度の支障をきたしているかによって嚥下しやすい姿勢は異なる

  • 頸部を伸展させない姿勢の調整は、誤嚥防止のポイントの1つとして重要である。
  • 嚥下そのものの障害だけでなく、安静度や離床の進み具合、座位が可能かベッド上かというADLの自立度も関係する。
  • 食べやすくまた嚥下しやすい安全な姿勢を選択する。
  • 嚥下障害がある場合は、食べるというプロセスのどの部分にどの程度の支障をきたしているか(食事の取り込み、送り込み、嚥下反射の程度、姿勢の保持、上肢の麻痺など)によって嚥下しやすい姿勢は異なる。

椅子や車いすに座って食べることが出来る場合

  • 誤嚥の危険を減少させるため、頸部が前屈するように姿勢を整える。
  • 頸部が進展する姿勢は気道確保の体位であり誤嚥しやすくなる。
  • 個人差はあるが罪で頸部を前方に突出すると気道の入り口は狭いままで、咽頭腔や梨状窩、口頭蓋谷が広がり、食べ物が咽頭から食道へと通過しやすくなる。

車椅子での摂取姿勢のポイント

① 頚部は前屈する。

② 股関節は屈曲させる。

③ 膝関節はやや引き気味に屈曲する。

④ ひざ下の高さに合わせてフットレストを上げ、足底は床につけて体幹が安定する姿勢に整える。

⑤ イスに深く座る。

坐位での姿勢調性

① 骨盤をやや後傾し、体幹を後ろへ倒す。

② 頚部が自然に前屈する。

③ 背もたれの高い椅子を使用。

④ 腰と臀部にかけてできる椅子の背もたれとの隙間に、タオルや小枕などを挟み姿勢が安定するよう調整する。

ベッドで食べる場合

  • 坐位では気管と食道の解剖学的な位置関係は前後であるが、30~60度仰臥位になると気管と食道の位置関係は上下となり、重力の作用により食物は気管に入りにくくなる。
  • また30度仰臥位で頸部を前屈すると咽頭と気道に角度がつき誤嚥しにくい。
  • その一方で飲食物を口腔内に保持する機能が低下している場合は、咽頭に食塊が流れ込み易く誤嚥の危険が高くなるため、嚥下機能に応じた注意が必要になる。
  • 食後30分以上は胃食道逆流症を予防する為にも状態を起こした姿勢でいるのが望ましい。
  • 腹部に力が入り腹圧が上昇すると胃液が混ざった食物などが逆流する可能性があるので食後の姿勢にも注意する。
  • 食後に嘔吐販社を誘発するような刺激(吸引)や訓練も極力避ける。

ベッド上での接触姿勢

① 頚部は前屈

② 股関節と膝関節は軽く屈曲刺せ、腹部の緊張を抑える

③ 足底はクッションにつけ、姿勢反射を利用して過度の緊張を防ぎ体を安定させる

④ 上肢を屈曲させ、肩や上肢が後ろへひかれて身体が後ろへ伸展するのを防ぐ

⑤ 臀部はベッドのリクライニングの傾斜に合わせる

 

摂食嚥下障害患者にトロミをつける注意点

トロミをつける時の注意点は?→嚥下障害の状態を確認した上で粘度を調整する

とろみ調整食品は主原料により特性が異なり、嚥下障害の病態や症状により適切な粘度も異なる。そのため、使用するとろみ調整食品の基本的な特徴を理解して、嚥下障害の状態を確認した上で粘度を調整する。

とろみ調整食品はなぜ必要なのか?

  • とろみ調整食品は、飲み込みにくい食物の物性(粘度や硬さ)を変化させることにより、飲み込みやすくする。
  • 特に液状食品に粘度を加えることにより咽頭への流入速度をゆっくりさせる効果がある。
  • それに加え、ばらばらになりやすい形態の食事にとろみを加えることによって、まとまって飲み込みやすくする効果もあることから、嚥下に障害を持つ人の食事によく用いられる。

とろみ調整食品の基礎知識

とろみ調整食品として市販されている原材料は、海藻抽出物由来のもの、植物性種子粘質物由来のもの、微生物産生粘質物由来のもの、動物性たんぱく質由来のもの、動物性たんぱく質由来のものなどに分類され、主原料の違いにより、その特徴や適した用途が異なる。

とろみ調整食品を使用する時のポイント

①粘度の目安
  • とろみをつけることにより、食物はゆっくり咽頭に流れ込むため、脳血管疾患などを有する場合や高齢者のように嚥下反射が遅延しているケースの嚥下前誤嚥(嚥下反射が起こる前にむせる)のリスクの予防に効果がある。
  • しかし、舌運動の低下が著しい場合や輪状咽頭筋弛緩不全(食道の入り口が開きにくい)を呈するケースの場合はとろみをつけすぎるとかえって咽頭部に残留し、嚥下後誤嚥(嚥下をした後にむせる)のリスクが高まる。
  • 嚥下に適した粘度は、患者の病態や症状により異なるが、グアーガム系あるいはキサンタンガム系のとろみ調整食品であれば、0,5~1,0%の硬さ(ポタージュ状)をまず試してみると良い。
  • 患者の状態に応じて添加量を増減し、適切な粘度が決まったら添加量は定量化し、常に同じ添加濃度とすることが重要である。

 




②時間的な変化
  • 原材料の違いによりとろみ調整食品を飲料や食品に加えてからとろみの状態が安定するまでに要る時間は異なる。
  • 特にグアーガム系のとろみ調整食品は添加後時間を経るごとに硬くなる。
  • その為添加してから最低でも5~10分程度経過した後に使用できるよう余裕をもって準備し、患者に提供する直前にとろみの状態を再確認することが大切である。
③その他、ダマをつくらないとろみの調整
  • とろみ調整食品を飲料に添加する際は、ダマが出来ないように少量づつ攪拌しながら添加する。
  • ダマはできてしまうと攪拌しても溶けず、そのまま使用すると窒息の言にもなるため取り除く。
  • とろみが濃すぎる場合は、同じ飲料を少量づつ加えて粘度を調整し、とろみが薄すぎる場合は、同じ飲料に同じとろみ調整食品を多めに加えた高粘度の溶液を、別に作成した薄目の溶液に加えるとダマが出来ず硬さが増す。

 

参考資料:看護技術ケアの疑問解決Q&A

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