拘縮予防のためのリハビリについて

拘縮予防のためのリハビリ

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急性期から始めるベッドサイドリハビリテーションの実際

関節拘縮の予防

拘縮予防は重要なリハビリ看護

  • 関節拘縮とは、関節を動かさないために、組織が弾力性、柔軟性を失って硬くなり線維化して、ある角度異常動かなくなる状態を言います。
  • 患者がベッドに寝ている段階、それもかなり早い段階でこの関節拘縮を予防することは大変重要で、リハビリ看護の目的の一つでもあります。
  • ベッドサイドのリハビリは入院してい臥床となったその時からスタートさせるという事が重要です。

 

拘縮予防の方法

①自動運動・自動介助運動

  • 自動・自動介助運動は関節可動域の保持だけでなく、筋力低下の予防、筋線維の短縮や萎縮の予防、血液循環の改善にもなります。
  • 自動介助運動は、全可動域の中で筋力を補いながら動かせない範囲を介助して行う方法です。

②他動運動

  • 動かす関節の正常範囲を知っておく
  • 可動域が制限されていて、その範囲内で他動運動を行っている場合でも、絶対に無理な抵抗を与えてはいけない。援助者の手や腕に抵抗を感じ始めたらそこでやめる。
  • もしその可動域が正常な場合より極端に制限されている場合はその抵抗に対して、ほんの少しだけ押し返すようにして、徐々に可動範囲を広げていくようにする。
  • 患者をよく観察しながら行う。
  • 中には我慢強い患者がいていたくても声を出さないという事もあるので表情を見てそうしたことも読み取る必要がある。
  • また一般状態も観察する。
  • 患者の手足を持つときは手のひら全体で包むように持つ
  • 不安感や恐怖感を取り除くために、運動の説明をしておく。
  • 特に痛みのある場合は反射的に力を入れる時があるので、ゆっくりと声をかけながら行う。
足底板、ハンドロールの使用について

関節の拘縮を予防する為の1つの方法として、足関節の尖足や手指関節の屈曲を防ぐ為に、足底板やハンドロールを使用して、良肢位を保持するという事が行われています。

 

ベッド上での下肢の他動運動の実際

①膝関節と股関節

膝関節と股関節の他動運動は、患者が仰臥位になっている時に行います。例えばおむつ交換の時などに何回か行えばそれだけでも効果が期待できます。

膝関節と股関節の同時屈曲と伸展
  • 患者を仰臥位にして、右側の屈曲と伸展を行う場合は右側の膝関節の位置に、援助者は自分の同側の下肢が来るようにして立ちます。
  • 右手で患者の右足の踵を包むようにモチ、足底が前腕にあたるようにして支えます。左手で大腿部中央が少し膝関節寄りの部位を下面から支えます。
  • 左手で大腿部を引き上げ、右手は手のひらと前腕で測定を抱えて、膝関節を折り曲げながら下肢を押し上げます。
  • 伸展は援助者が重心を反対側に移動し、最初の位置に戻ります。下肢を持った両手の甲がベッドに着くまで静かにおろします。
股関節の屈曲と伸展
  • 患者を仰臥位にして、援助者は患者の足元に立ち、踵部を手の平で包むように持ちます。
  • 患者の踵部を持った手で、ゆっくりと足を持ち上げます。この時援助者のもう一方の手は足を持ち上げやすくする為、大腿部を下面から支えます。
  • 患者の足は股関節の抵抗を感じ始めるまで上げて、その後ゆっくり降ろします。
股関節の外転と内転

・患者を仰臥位にして、援助者は患者の足元にたち、踵部を片方の手で包むように持ち、もう片方の手で膝の後ろを支えます。

・患者の下肢を少し持ち上げ、援助者自身の足を後ろに引き、その足に重心を移動しながら、ゆっくり患者の足を開きます。

・患者の股関節に抵抗を感じたらそこで止め静かに元に戻します。

②足関節

足関節の背屈と底屈

・患者を仰臥位にして、援助者は患者の他動運動を行う足側に立って、その足をベッドの端に移動させます。

・踵部を片方の手のひらで包むように持ち、足底が援助者の前腕にあたるようにして支えます。

・もう片方の手で足関節の少し上を軽く押さえながら、援助者の体重を軽く移動させて、足底を押すような感じで、足関節の背屈を行います。この場合、他動運動ちゅうの足の膝が曲がらないように注意しましょう。

・次に勝負を持った援助者の前腕に、患者の足指の付け根を軽く押し付けるようにして底屈します。援助者の重心は背屈とは反対の方向に移動します。この背屈と底屈をゆっくり交互に繰り返します。

ベッド上での上肢の他動運動の実際

①肩関節

肩関節の屈曲と伸展

・患者を仰臥位にし、腕を体に沿って伸ばした状態にします。援助者は自分の体の中心が患者の肩関節に来る位置に足を開いて立ち、人差し指で患者の手の平を支えながら手首を軽く握り指先の方向へ引くような感じで、患者の上肢を伸ばします。援助者のもう一方の手は肘を支えたままにします。

・患者の上肢を伸ばしたままゆっくっり引き上げます。この時援助者のもう一方の手は肘を支えたままにします。

・肩関節が90度を過ぎたら手首を枕につけるような気持で軽く肘を押していきます。少しでも抵抗を感じたらそこで止めます。決して無理はしないでください。

・屈曲の動作と逆の流れでゆっくり患者の上肢を元の位置に戻します。




肩関節の外転と内転

・患者は仰臥位にし、援助者は患者の方の位置に両足を開いて立ちます。片方の手を患者の方に添え、もう一方の手で肘を持って、上司を抱えるようにします。この時援助者の肘はベッドについている状態です。

・援助者は自分の体を起こしながら、患者の上肢をゆっくり外側に開きます。この時患者の方が上に持ち上がらないように注意しましょう。また上肢が90度以上開かないように角度にも気をくばります。無理をすると痛みにもつながります。

・内転はこれまでの動作と逆の流れで、行くり患者の上肢を元の位置に戻します。

肩関節の外旋と内旋

・患者は仰臥位にし、援助者は患者の方が自分の体の中心に来る位置で、かつ患者と約45度の角度になるように足を開いて立ちます。患者の手首と肘の部分を軽く支え、患者の上腕と肩が平衡になり、肘が90度の曲がった形をつくります。

・その形を維持しながら、肘を軸にして前腕を患者の頭の方向へ円を描くように引き上げます。途中で患者の手首を持つ手を交換し、患者の肩が上にずれないように手を添えます。肩関節に少しでも抵抗がある場合はすぐにやめます。

・これまでと逆の流れで前腕を元に戻します。

肩関節水平位の外転と内転

・患者は仰臥位にし、援助者は患者の肩の位置に足を開いて立ちます。人差し指で患者の手の平を支えるようにして手首を持ち、もう一方の手で肘を支えます。

・患者の腕をゆっくり持ち上げ、反対の上肢側に曲げていきます。少しでも抵抗があればそこで止めます。

・曲げた腕をゆっくり元に戻します。

②肘関節

肘関節の屈曲と伸展

・患者は仰臥位に四援助者は患者の上司に向かうような角度で、ベッド横に立ちます。人差し指で患者の手の平を支えるようにして手首を軽く握り、もう一方の手で患者の肘を支えます。

・患者の前腕をゆっくりと患者の片側に曲げていきます。肘関節に少しでも抵抗を感じたらそこで止めます。

・曲げた肘をゆっくり伸ばしていき、元の位置に戻します。

③手関節

手関節の背屈と掌屈

・援助者は患者の手の平を親指と人差し指で軽く支え、もう一方の手で患者の前腕部を軽く支えます。

・患者の手の平を支えている人差し指で、軽く手の平を押して手首を背屈させます。この時もう一方の手の親指で、患者の手の平とは反対の方向に前腕を支えます。

・今度は背屈とは逆に、援助者の親指で患者の手の甲を軽く押すと同時に、前腕を支えている援助者の人差し指と中指で、手首を手前の方向へ惹くようにします。

 

 

 急性期のリハビリテーション看護の実際について

1急性期から始めるベッドサイドリハビリテーションの実際

体位変換

体位変換の意義

  • 臥床中の体位変換は、褥瘡予防を目的に行います。
  • 姿勢を変えることは循環の改善、排痰の促通、関節拘縮・変形の予防など身体的に引き起こされる二次障害や合併症を緩和します。
  • 身体の向きが変わることにより視野や視線も変わり、精神活動に対しても刺激を与えることに繋がります。
  • 体位変換は急性期においては全面的な介助によって行いますが、患者の状態の変化によって、介助量を段階的に変えていくことが大切です。

体位変換の実際

①仰臥位から側臥位へ(全面介助)
  • 患者の意識の有無にかかわらず、必ず「○○さんこっちを向きましょう」などと声をかけてから始めましょう
  • 患者の身体が横になった時に、ベッドの端になりすぎないように、これから体を向ける反対の方へ状態と下肢を移します。
  • 援助者はこれから患者の身体を向ける側に立ち、患者が側臥位になった時、上になる方の下肢を交差させて、身体を回転しやすくします。
  • 患者の肩甲骨と骨盤を持ち、援助者の方へゆっくりと回転させ横向きにします。
②バスタオルを利用する
  • あらかじめシーツの上にバスタオルなどを敷いておくと、身体の位置を楽に変えることが出来ます。
  • この場合も患者が不安にならないように、そして安全に行うために援助者はこれから患者の体を向ける側に立ちます。
  • バスタオルの両端を持ち手前に引き起こしながら身体を手前に回転させます。
③寝返りの指導
  • 自分で寝返る時のポイントは、お辞儀をするような感じで頭を少し上げて前面筋をうまく使う事です。
  • 膝を曲げることによって、股関節も屈曲しそのことが腰を回転しやすくして、寝返りが可能となります。
  • 片麻痺がある場合は健側の膝だけを曲げて行います。
  • 下半身まひによって両足が全く使えない場合は、健常である両手を握り合って寝返りする方へ振るようにします。

身体の使い方のチェックポイント

①ヘッドアップがうまくできるか

・身体の前面筋の活動性を高めることにつながる

②寝返りで身体が横向きになった状態で保持が出来、バランスがとれるか

・肩甲帯が後方にひかれ、うしろから倒れないか

・身体全体が丸くなった状態で保持できるか

 

 

2脳卒中患者へのリハビリテーション看護

後遺症を残すことの多い脳卒中

脳血管障害の主な疾患は脳出血、脳梗塞、くも膜下出血です。様々な機能障害(四肢の機能障害、言語障害、嚥下障害、心理的障害)を残すことが多い病気です。

援助者は患者の予後、又は障害があっても多くの可能性があるという事について情報を持ち、知ることも必要と思います。

麻痺

  • 運動麻痺は中枢性麻痺と末梢性麻痺とに区別されます。
  • 末梢性麻痺は筋力で表されるのに比べ、中枢性麻痺では筋肉の緊張度の変化(痙性、弛緩、固縮など)、運動の回復パターンで表します。
  • 脳卒中は中枢性麻痺で発症部位や大きさにより、完全麻痺と不完全麻痺に分類されます。
  • 筋肉の緊張度で、痙性は腱反射の亢進が特徴ですが、筋肉の緊張は高く手足を動かす時に、筋肉が突っ張ったような抵抗を感じます。
  • 弛緩は筋肉の抵抗が低く、だらっとしているような状態です。
  • 関節の運動を行う際にはこのような状態を利愛しておくと良いです。

肩の扱いは慎重に

肩関節は人間の関節の中で最も関節と関節の接合部が少なく、筋肉で支えられている関節です。

脳卒中など筋肉の麻痺の状態によっては、肩関節の構造が崩れ、可動域の制限や痛みを引き起こすことがあります。

他動運動と体位の重要性

体位による肩甲骨の可動域保持と股関節の外旋位予防

仰臥位

肩甲骨を無理に持ち上げないようにすることが重要である。患側の方は適度に外転し、軽度外旋位をとり楽な肢位をとります。患側の下肢は過度な股関節外旋と膝関節屈曲位をとらないように注意しましょう。

患側臥位

患肢の方に体重がかからないようにして、患側上肢を前方に引き出した位置をとります。

健側菓子の膝関節、股関節は少し屈曲位にして前方に引き出してクッションなどで支えます。患側下肢は股関節を伸展位にして後方にひきます。下肢は自由に動かせるようにする。

健側臥位

健側の上に患肢が覆いかぶさるような位置にします。このとき患側の上肢が背部に回らないように少し前方に引き出し、上肢全体をクッションなどで支えます。

患側の下肢は股関節、膝関節とも軽く曲げて健側の下肢より前方に出し、健側肢に重みがかからないように注意して、患側の股関節の内転、内旋を防ぐように支えます。

脳卒中患者の早期リハビリ看護3つのポイント

①肩甲骨の可動域の保持

②股関節の外旋位の予防

③肩関節の疼痛、亜脱臼の予防

 

 

  寝たきり予防のためのリハビリテーション看護について

寝たきり予防の為のリハビリテーション看護

ナースの役割

リハビリ看護の役割の一つは、医師が十分な治療ができPT(理学療法士)ST(言語聴覚士)OT(作業療法士)などが、各専門分野の療法(治療)をスムーズにできるように、患者の心身の状態を整えることがあります。

もう一つの役割は、患者がリハビリトレーニングで得た成果を日常生活の中で活用できるようにすることです。

PT、OT、STによる訓練の進行度合いに応じて獲得した動作を入院中の「生活の場である病棟」で活用していくことは、患者家族にとって退院後の生活行為に対してのイメージを具体的にしていきます。

臥床中早期に行うべきリハビリテーション看護

急性期は全身状態が不安定であるために、ベッドサイドにおいて看護師がその状態を把握した上で、体位変換、良肢位の保持、関節可動域の保持など行うことが必要です。

①肩甲部の筋力の保持(廃用性筋力低下の予防)
  • 急性期においては安静が優先されることが多いと思いますが、そのような状況の中でも、どのくらい動いても良いのかいつから動いても良いのかという点についての細かい指示は、案外不十分なことが多いのではないでしょうか。
  • この間に、筋力低下などの廃用症状により、身体機能の低下をきたすことがあります。
  • 急性期から病棟においても廃用症状に対して取り組むことが必要と思います。
②排泄の援助(自立への援助)
  • 尿便意の有無を確認し、おむつやカテーテルの使用は最小限にとどめて尿器やポータブルトイレでの排泄を援助します。
  • このことは離床という視点からも、早期から対策を立てることが重要と考えます。
  • 疾患の性質から必ずしも自立へ至らないこともありますが根気よく援助し、周囲の理解を促すことが必要です。




位置・動きの感覚について

  • 病気などにより長期に臥床を強いられる状態が続いた場合、様々な姿勢をとうして得られる感覚情報は乏しくなり、そのことが姿勢の保持に影響を及ぼすことも考えられます。
  • その意味で臥床中であっても体位変換など姿勢を変えることにより、身体の重みや位置などを身体のいろいろな部分で感じるという感覚に対して刺激を与えることは大切です。

離床開始期にリハビリテーション看護で心がける事

  • 患者が起き上がれる状態になったら、できるだけ坐位をとる時間を多くすることに勧めます。
  • しかし臥床時間が長かった場合などは、座位をとることにより腰痛を起こすこともあるので、始めは耐久力や介助度合いなど、どのくらいせ割れるのか様子を見ながら多くの目標を掲げずに徐々に勧めます。
  • 坐位が20~30分可能になったら車いすなどを使用し、食事場面などに取り入れていきます。
  • 座位の安定度によりトイレでの排泄、また散歩など行動範囲を広げることが可能となり、このことは精神心理的にも良い効果を生み出します。
  • また、この時期は心理的に不安定な状態であることもあり、本人の気持ちに十分な配慮が必要です。

 

 

参考資料:寝たきりにさせない看護技術

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