パーキンソンの看護診断・嚥下時間の延長と嚥下困難に関連した嚥下障害
看護診断:嚥下時間の延長と嚥下困難に関連した嚥下障害
看護目標
効果的な嚥下と唾液の調節を促進する
徴候と症状
ゆっくりした食べ方、流涎、窒息、口の周囲の皮膚の発赤や表皮剥離、不適切な口腔クリアランス、嚥下反射の低下、体重減少
看護介入
① 咀嚼と嚥下困難について食事中の患者を評価する
② 食事前に患者の顔と頸部の筋肉をマッサージする
③ 意識して定期的に飲み込むようにする。酸っぱい飴をなめる、患者の頭部をまっすぐに立てて唾液を患者の咽頭後部にためる、などにより唾液を調整するよう患者に指導する
④ 濃厚な食事や固形食よりも、軟らかな食事を与える
⑤ 患者の小さな食物の塊を与え、完全に噛むように指導する
⑥ 飲み込む前に意識的に舌を後ろやうえに動かすよう患者の指導する
⑦ 食べている間は患者に話しかけるのを避ける
⑧ 言語療法士に相談することを考慮する
理論的根拠
① 咽頭筋と顔面筋の硬直は咀嚼と嚥下困難の原因となる
② 嚥下に使われる筋肉は硬直になる傾向がありそれが嚥下を困難にする。食事前にこれらの筋肉をマッサージすることは筋肉を弛緩するのに役立ち、嚥下をしやすくさせる
③ 意識的に唾液を飲み込むことは流涎を予防する。酸っぱい味覚は嚥下を刺激する。そして咽頭後部に唾液を貯留することは自動的に嚥下を促進する
④ やわらかい食事は一般に飲み込みやすい
⑤ 小さな食物の塊は大きな塊よりも飲みやすい
⑥ 必要な舌の動きを意識するのは、嚥下をしやすくさせる
⑦ 食事中の会話は窒息、流涎、誤嚥を起こす
⑧ 嚥下困難に対する治療は嚥下を改善する
患者目標
・ 適切な栄養摂取を維持することができる
・ 困難なしで食べることができる
参考資料:看護診断に基づいた高齢者看護ケアプラン