脳腫瘍患者の看護計画

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脳腫瘍患者の看護計画

#1運動麻痺や言語障害が徐々に進行していくことによる不安がある

看護診断 不安

関連因子:健康状態に対する脅威、死に至る脅威

診断指標:苦悩する、食欲不振、混乱、特定できない結果に対する恐怖

看護目標

長期:疾患と症状を受け入れ、不安なく日常生活を送ることができる

短期:1)疾患に対する不安を言語化できる

2)障害を受け入れ前向きな気持ちになる

OP

・言動、表情、食欲、睡眠状態

・疾患、障害の理解、受け入れ状況

・危機状態や今までの問題の対処行動

TP

・不安に思っていることを言葉に出して話せる環境を作る

・危機の状態に合わせて対応する

・患者の行動を見守る

EP

・家族の支えが大切であることを説明し患者の支えとなるように指導する

・サポートシステムの活用

#2家族の成員(患者)が脳腫瘍になったことによる強い悲しみがある

看護診断 悲嘆

関連因子:重要他者の喪失の予測

診断指標:絶望、心理的苦悩

看護目標

長期:患者の疾患を受け止め精神的安寧が得られる

短期:受け入れがたい状況を表現できる

OP

・言動、表情、疾患のうけとめ

・予後をどう考えているか

TP

・家族の思いを受け止める

・コーピング行動を一緒に探す

・疾患や症状、予後に関して説明する。必要時に医師に十分な説明を依頼する

・家族を支える存在を探す

EP

・不安や悲しみを表現することが大切であることを説明する

・家族が一人で悩みを抱えず、他の家族と共有することも大切であることを説明する

 

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#3運動麻痺や言語障害、顔面麻痺などのボディイメージの混乱、役割が果たせないことで自己を否定的にとらえる

看護診断 自尊感情状況的低下

関連因子:ボディイメージ混乱、機能障害、喪失

診断指標:状況や物事をうまく扱えないと自己を評価する、役に立たないと表現する、自己否定的な発言をする

看護目標

長期:障害を受容し、肯定的な言動が聞かれる

短期:障害を理解し、今できる行動を無理なく行うことができる

OP

・疾患や障害の受け止め方

・言動や表情、抑うつ感、不安

・睡眠、食事摂取量

TP

・自分の考えや感情を言語化できるよう受容的態度で接する

・ボディイメージの変化や障害を受け止められるよう適切なリハビリテーションや介助を行う

・いつでも思いを表出できるような環境を作る

・ショックや否認の時期に無理やり話をさせない

EP

・患者が感じている違和感や感情、疾患に対する疑問や不安などを話すことの重要性を説明する

 

#4脳腫瘍の増大により身体の運動が制限されADLが困難である

看護診断 身体可動性障害

関連因子:神経・筋系の障害、拘縮

診断指標:関節可動域の制限、歩行の変化

看護目標

長期:必要な運動やリハビリテーションを行い、廃用症候群を防ぐことができる

短期:1)関節可動域訓練を自分から行うことができる

2)ROM訓練によりADLが無理なく行える

OP

・運動麻痺の部位と程度

・関節拘縮の有無、ROMの制限

・ADL障害の程度

TP

・ROM訓練の実施

・日中はなるべく起きてリハビリテーションを行う

・廃用症候群を予防する

・ベッド上でリハビリテーションを行う

EP

・健側を使って自分で行うROM訓練方法を指導する

・杖や車いすの指導方法について指導する

・器具、装具の使用方法を指導する

 

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#5運動麻痺や意識障害によりセルフケアが不足している

看護診断 セルフケア不足シンドローム

関連因子:認知障害、身体の部分を知覚することができない、更衣及び整容ができない、食事行動を自立して行えない

診断指標:ADLの遂行不能

看護目標

長期:自分が望むことをできる範囲で行える

短期:1)切府ケアをするために必要なリハビリテーションを前向きに行うことができる

2)介助によって患者が望むことが充足される

OP

・セルフケアを行う能力

・障害の程度、部位

TP

・障害に応じて患者のADLを介助する

・自力でできる範囲は患者自身が行えるよう環境を整える

・セルフケアを自分で行えないことに対する気持ちを聴く

・必要時には適切な自助具を選択する

EP

・セルフケア不足に対する不快な気持ちや不満を言語化するよう指導する

・自分のペースを崩して無理に行おうとすると、事故や外傷の危険があることを説明する

・自分のペースで行うことはリハビリテーションになるので、セルフケア能力の向上となることを指導する

 

#6運動麻痺により嚥下が障害される

看護診断 嚥下障害

関連因子:神経・筋系の障害

診断指標:嚥下困難の徴候の観察

看護目標

長期:嚥下障害が改善しADLを行うことができる

短期:嚥下困難のリハビリテーションが行える

OP

・食事摂取量

・嚥下障害の状態

・食べられる食物の形態

・誤嚥性肺炎の徴候

TP

・誤嚥防止のために食事は介助者が見守り介助を行う

・飲み込みやすい食形態にしたり細かく刻むなどの工夫を行う。酸味の強いものや粉っぽいものは避ける

・患者が焦らずに食事ができるように環境を整える

・食事が1回で十分とれない場合は回数を増やすか間食などで栄養がとれるように工夫する

・嚥下しやすい体位の工夫、嚥下訓練

EP

・慌てずゆっくり食事をとるよう指導する

・嚥下障害を起こしやすい食物は避けるよう指導する

・口腔ケアの必要性と方法について指導する

 

#7放射線療法や化学療法により口腔内に炎症を起こしている

看護診断 口腔粘膜障害

関連因子:化学療法、放射線療法

診断指標:蒼白な歯肉、味覚の減弱、口腔内潰瘍

看護目標

長期:炎症が改善し、疼痛なく食事が十分摂取できる

短期:1)食事の工夫により栄養がとれる

2)痛みなく食事できる

3)口腔内を清潔にできる

OP

・口腔粘膜の状態、炎症、痛みの程度

・食事摂取量

・口腔ケアの実施状況

TP

・口腔内の清潔

・人口唾液の使用

・刺激の少ない食事の提供

・患者の好みを考慮した間食などを持ってきてもらう

・難い食べ物は避け口腔内を傷つけないようにする

EP

・口腔内から感染を起こさないため、口腔ケア方法を指導する

・食べやすいもので栄養を補給することが大切であることを指導し、必要カロリーを摂取するよう指導する

 

#8放射線療法や化学療法に関連して易感染傾向にある

看護診断 感染リスク状態

危険因子:不適切な第二次防御機構

看護目標

長期:適切な感染予防対策が実行でき感染を起こさない

短期:1)手洗いができる

2)感染予防策が実行できる

3)感染の原因・誘因がわかる

OP

・感染症状の有無と程度

・喀痰の有無、性状

・発熱、発汗

・倦怠感などの自覚症状の有無

・運動障害や見当識障害による失禁の有無

TP

・身体の清潔を保つ

・食事の摂取を促す。口腔内の炎症がある場合や嚥下障害がある場合でも、栄養が十分とれるよう配慮する

EP

・衛生学的手洗いを指導する

・嗽をおこない、呼吸器系の感染を起こさないよう指導する

・面会者や職員が感染源にならないように指導及び環境整備を行う

 

#9視野欠損や知覚障害、運動障害により身体の危険を認知する能力が低下している

看護診断 身体外傷リスク状態

関連因子:平衡機能の障害、認知障害、筋力低下、感覚の減退、視覚障害

看護目標

長期:現在の身体状況を理解し、身体外傷を起こさないような行動がとれる

短期:1)麻痺などの身体状況を把握できる

2)外傷予防の対策が理解できる

OP

・危険を回避する行動がとれるか

・麻痺の有無と程度

・麻痺の認識の程度、労作時の外傷や危険性の有無

TP

・危険予防のためのクッションの配慮や防護柵等の設置

・理学療法士などのスタッフと連携を取りながら、リハビリテーションの各段階に応じた援助を行う

・環境を整備する

EP

・ナースコールの使い方を説明し、危険を早期に回避する

・患者が身体外傷予防の意識付けができるよう説明指導を行う

・身体外傷の危険性について家族に指導する

参考資料:疾患別看護過程

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