高血圧の看護診断・ノンコンプライアンス:薬物療法
看護診断:理解不足と動機付けの欠如に関連したノンコンプライアンス:薬物療法
看護目標
患者が診断を受け入れ、降圧薬の有用性を理解できるように援助し治療に対するコンプライアンスを高める
徴候と症状
診断に対する拒絶、処方箋を説明して従うことが不可能、ノンポテンス
看護介入
① 患者と介護者が高血圧症や降圧薬治療に対する知識を持っているか調べる
② 患者が処方された薬のラベルを読めるか、いろいろな薬を区別できるか調べる
③ 患者が薬瓶のふたを開ける能力があるかどうか見る。子供用の薬瓶のふたを使うことは避ける
④ 血圧測定値をグラフに書くとか投薬の予定表をつけるなどするよう積極的に患者を教育する
⑤ その患者にとって実際的な服薬方法、例えば食事などと関連させた処方をするようにする
⑥ 説明書や視覚的機器を用いて患者や介護者に指導する
⑦ 降圧薬による起立性低血圧の副作用をできるだけ少なくするために座っている位置からゆっくり立ち上ったり、薬を飲んだあと2時間は精力的に運動することは避けるよう指導する
⑧ 患者の経済状態や保険に入っているか調べる。もし薬を買う余裕がなければソーシャルワーカーに相談するよう紹介したり、医師にはごく一般的な薬とか安価な薬を処方するよう依頼する
理論的根拠
① 患者と介護者の協力を得られれば錯乱状態を減らし正確な服薬をするのに役立つ
② 視力の低下は不適切に自分勝手に薬を飲む原因となる
③ 関節炎などによる機能障害は正確な服薬ができなくなる一因である
④ 積極的に関与することで患者は責任を感じ、管理できていると感じるのに役立つ
⑤ 服薬の仕方を簡便化することは正確な服薬と管理の感覚を促す
⑥ 説明書や視覚的機器は教育効果を高める。また患者と介護者は看護師がいない場合もそれらを参考にすることができる
⑦ 副作用を少なくする方法を知っていると正確な服薬を促し突然の血圧低下による障害を避けることができる
⑧ 収入が限られていると薬を買って服薬できないことがある
患者目標
・ 予定通りに服薬することができる
・ 薬の効果を理解することができる
・ 正常な血圧値になることができる
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン