血管性認知症患者の看護計画
#1血管性認知症の段階的な変化のリスクがある
看護診断 非効果的健康維持
関連因子:認知障害
診断指標:基本的健康実践についての知識不定がある
看護目標
長期:脳血管疾患の再発発作が起こらない
短期:1)血圧が安定している
2)合併症の悪化の徴候が見られない
3)頭痛、悪心、麻痺などの発作に伴う症状がない
OP
・血圧などのバイタルサイン
・高血圧症や糖尿病などの合併症の悪化の有無
・頭痛、悪心などの自覚症状
・血糖値やコレステロール値
・麻痺に伴うADL、セルフケア能力低下の有無
・便秘の有無
・薬物服用状況
TP
・セルフケア能力に着目した血圧降下薬などの確実な服用のケア
EP
・セルフケア能力に配慮しながら、身体の変調時には訴えるようにまた、自力水分摂取についてその都度指導する
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#2脱水を起こし日常生活に支障をきたす恐れがある
看護診断 体液量不足リスク状態
危険因子:必要水分量に影響を与える因子、調節機能の障害
看護目標
長期:適切な水分量を摂取する
短期:1)発熱、下痢、大量発汗など体内の水分量が排泄されない
2)ふらつき、めまいがない
OP
・バイタルサイン、意識状態
・血液検査結果
・自覚症状、他覚症状
・水分および栄養摂取行動
・体重の増減
・活動量の増加の有無
・皮膚の状態
・嘔吐下痢や大量発汗などの体外への水分排泄状況
・環境動態に影響を及ぼす薬物服用の有無
TP
・体温上昇時には冷罨法、安静療法を実施する
・大量発汗時には水分摂取を促す、電解質バランスが崩れているときには電解質を含む飲料水がよい
・皮膚湿潤時には行為と清拭を行う
EP
・随時水分摂取の必要性を説明する
#3嚥下障害のため日常生活に支障をきたしている
看護診断 嚥下障害
関連因子:呼吸器系の障害、神経・筋系の障害
診断指標:食物の拒絶、むせる、せき込む、嚥下障害の多発
看護目標
長期:嚥下障害が改善する
短期:1)食事にむせることがない
2)食事中・後に咳き込まない
OP
・バイタルサイン
・血液検査結果(貧血、低栄養状態の有無)
・経口飲食時の嚥下困難の徴候の観察
・経口飲食時の患者の自覚症状の有無
・食事摂取時の一口量と食事のペース
TP
・セルフケアを考慮したうえで必要な食事介助を行う
・食事介助を行う時には患者の食事のペースや量を把握したうえで行う
・リハビリテーション
・むせることで食事摂取に対する恐怖感を持たないよう心理的ケアを行う
EP
・一口を確実に飲み込んでから、次の食べ物を口に運ぶようにその都度指導する
・麻痺を伴っている場合は自助具を紹介する
参考資料:疾患別看護過程