熱傷患者の看護計画

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熱傷患者の看護計画

共同問題

RC:敗血症

看護目標

長期:感染予防対策を徹底し感染を最小限に抑える

短期:1)創部の感染徴候として色やにおいなどの変化を適切にとらえる

2)易感染部位に対する適切なケアを実施する

3)感染予防対策として手洗いや空空ケアを積極的に実施できるよう指導する

OP

・熱型の観察、感染の兆候の有無、ライン刺入部の状態、そう状態、痰や尿の性状、白血球数炎症反応などのデータの推移

TP

・病原体の侵入を最小にするよう、無菌操作にて各ライン刺入部の清潔維持を図る

・2~4時間ごとに体温を測定し38度以上の発熱が認められる場合は医師に報告する

・創傷のみならず、健常皮膚や陰部口腔毛髪などの清潔維持を積極的に図る

EP

・手洗いや含嗽を十分に実施するように指導する

・生活パターンを規則正しく整えること、栄養摂取の必要性について指導する

 

 

#1熱傷により皮膚の機能が制限されている

看護診断 皮膚統合性障害

関連因子:熱傷、化学物質

診断指標:身体構造への侵襲、皮膚表面の破たん、皮膚層列の破たん

 

看護目標

長期:皮膚の保護や新たな損傷の予防方法を理解実践でき創治療がすすむ

短期:1)治癒段階に応じた適切な創処置が行われ、創部の血流が維持される

2)機械的刺激や摩擦、乾燥などによる新たな損傷を生じない

 

OP

・創状態と皮膚の色調、浸出液を認める部位とその性状量、感染徴候の有無

・創処置の方法、使用した軟膏の種類と部位

・ガーゼ、包帯のずれや圧迫痛の有無

TP

・損傷皮膚の摩擦を生じやすい部位を保護する

・創部の機械的刺激を避け、血圧測定は健常部位で行う

・患者が日常生活を営む上で、ガーゼや包帯のずれが生じないように固定方法を工夫する

・浸出液を吸収しつつも、創面は乾燥しないようなドレッシング材を選択使用する

EP

・ガーゼや包帯のずれ、きつさを感じた時には看護師に伝えてほしいことを説明する

・痂疲は無理にはがさないように説明する

 

#2気道熱傷や気道浮腫、肺水腫などによる呼吸障害が生じやすい

看護診断 ガス交換障害、非効果的軌道浄化

関連因子:煙や熱気の吸入、一酸化炭素中毒、気道粘膜の損傷、

診断指標:呼吸困難、鼻翼の拡大、動脈血ガス分析値の異常

 

看護目標

長期:軌道の開通性を維持でき換気の改善により血液ガス分析値が正常範囲内に維持できる

短期:1)軌道の分泌物を有効に除去でき、気道が開通した状態を維持できる

2)酸素吸入を適切に行うことができ酸素飽和度を95%以上に維持できる

3)呼吸困難や呼吸の違和感を維持できる

 

OP

・呼吸様式(胸郭のコンプライアンスがたもたれているか)

・呼吸数、呼吸音、チアノーゼの有無、痰の性状や量

・体位やケアに伴うSPO2値の変化、貧血の有無

・落ち着きのなさや混乱、興奮などの患者の行動と精神状態

TP

・ガス交換障害の原因を把握する

・気道の分泌物を除去しやすいように水分接種を促したりネブライザーなどによる加湿を実施する

・呼吸音に合わせて体位ドレナージなどの呼吸理学療法を実施したうえで気道の分泌物除去を行う

・酸素吸入を確実に実施するとともに呼吸困難や疼痛などの苦痛や不安を緩和する

・ベッドアップ30度程度のセミファーラー位を常とする

・呼吸状態を観察しながら患側を上にした体位ドレナージを実施する

・SPO2値が95%以下は特に注意深く観察し早めに医師に報告する

EP

・できるだけ痰を喀出するように指導する

・腹式呼吸などの呼吸ケア方法について指導する

 

 

#3熱傷や治療に伴う痛みが強い

看護診断 急性疼痛

関連因子:熱傷、組織破たん、開放創の存在、創洗浄や植皮術などの治療の実施

診断指標:疼痛があることを表現する行動、疼痛を避けるための体位付け、苦悶様顔貌

 

看護目標

長期:痛みが生じる原因を理解し、十分な疼痛緩和方法の実施のもとに、疼痛を患者の許容範囲内にコントロールできる

短期:1)痛みとその程度を表現できる

2)疼痛が緩和する

3)痛みの程度に合わせた対処方法がわかり選択できる

OP

・疼痛の出現状況、程度の観察、疼痛部位、性質

・痛みに対して患者がどのように対処しているかを観察する

TP

・痛みをアセスメントしそれに基づき鎮痛薬の使用を医師とともに検討する。鎮痛薬の効果の時間や程度を把握する

・患者の痛み増強因子を探り取り除くための援助を行う

・痛みが生じる処置の前に、あらかじめどのような種類の痛みが生じるか情報を提供しておく

・温罨法冷罨法タッチング、リラクセーション技法などを実施する

・痛みへの対処方法に関わらず患者の忍耐をほめよく頑張っていることを理解し励ます

EP

・痛みを我慢せず表現するように説明する

・どのようなときに痛みが増強したり緩和するかを自分で観察理解できるように指導する

・鎮痛薬の効果や副作用、効果時間などについて説明し患者自身でも観察できるように指導する

 

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#4治療・予後に対する不安や恐怖がある

看護診断 不安、恐怖

関連因子:健康状態の変化、入院、処置

診断指標:緊張した表情、怯えた反応、落ち着きがない、いらいらする

 

長期:不安ストレスに対する効果的なコーピング方法を見出し適切に用いることで不安が緩和される

短期:1)自分の不安を言葉にして表現することができる

2)有効な対処方法を見出すことができる

3)不安が緩和し心理的に安寧な状態でいられる

OP

・患者の様子、表情、言動、心理的状態の把握

・活動性、睡眠状況

TP

・できるだけゆっくり話をする時間を設け傾聴する

・不安の内容を明らかにし不安につながる因子の調整や除去に努める

・安心できるような言葉をかけ・態度でかかわる。できるだけ肯定的な話し方を選択する

・状況や物事を誤ってとらえている場合は正確な情報を提供しそれらを修正する

・経済的社会的問題がある場合、ソーシャルワーカーに相談し解決策を患者と一緒に考える

EP

・患者に不安を緩和するための方法を提案する

・不安のレベルを自分で評価できるように指導する

 

#5食欲不振や消化吸収不良および代謝亢進に伴い栄養摂取量が不足しやすい

看護診断 栄養摂取消費バランス異常:必要量以下

関連因子:熱傷、疼痛、食欲不振、活動性の低下、便秘、下痢、味覚の変化

診断指標:必要量を下回る摂取栄養量、体重減少、皮下脂肪筋肉量の減少

看護目標

長期:代謝亢進に見合った必要栄養量を摂取でき栄養状態が改善する

短期:1)創治癒に向けての食事摂取の重要性を理解し少しでも摂取量を増やせるように工夫できる

2)望ましい体重に向けて体重が増加し総蛋白アルブミンも正常化する

OP

・食事摂取能力、食事摂取量の日内変動、体重の推移、活動量、外観

・検査データ

TP

・患者の好みを把握しできるだけ好みに合った食事にできるように栄養士と相談する

・食事前には疼痛や苦痛が緩和された状態であるように整える。特に苦痛を伴う創処置に続いて食事の開始とならないように調整する

・1回の食事量を減らし、おやつの時間など少しでも栄養を摂取できる機会・頻度を増やすように調整する

・食欲不振の場合は患者とよく話し合いその原因となっていることを見極める

・活動量を増やすための計画を患者とともに立案する

・食事の際に休息時間をとるよう促すとともに、食事をしやすい環境に周囲や姿勢を整える

・口腔内の状態を把握し清潔を維持できるようにする

EP

・食事摂取と創治癒との関連性重要性を説明する

・食事前には休息をとること、食べたいときには少しでも多く食べるよう患者に指導する

・炭水化物タンパク質ミネラル脂肪などバランスよく摂取するのが望ましいことを説明する

 

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#6長期入院により刺激や変化が少なく、意欲や自発性の低下、退屈につながっている

看護診断 気分転換活動不足

関連因子:気分転換活動を行えない環境、長期入院、疼痛、運動制限、不動状態、抑うつ状態

診断指標:退屈に関する言葉、いつも行っている趣味の活動が病院ではできない

看護目標

長期:退屈な気持ちを表現でき気分転換の方法や活動を見出し実践できる

短期:1)1日の中で少しでも楽しい時間が持てる

2)外部の情報や人に触れる機会を多くなる

OP

・患者の気分や活動性の変化

・患者にとって刺激となるものの内容と質量

TP

・患者にとって楽しみになることを把握し日常生活に積極的に取り入れる

・病室から出たり散歩に行く機会を多く作る

・病室の環境やベッドの位置を変化させる

・テレビや音楽などを積極的に取り入れ楽しめるようにする

・疾患や治癒以外のことを話題にゆっくり話をする

EP

・何らかの楽しみを見出し日常生活に取り入れることを勧める。家族にも協力を求める

 

#7瘢痕形成や関節拘縮に伴う運動機能障害がある

看護診断 身体可動性障害

関連因子:疼痛、感覚知覚機能の障害、瘢痕形成、拘縮、動く意欲の低下

診断指標:関節可動域の制限、反応時間の遅れ、姿勢の不安定さ

看護目標

長期:他社の援助や補助具などにより体を動かす機会が増え、身体活動を拡大できる

短期:1)自立した日常生活に向けて工夫を要する事柄とその方法がわかり、自ら実践できる

2)体を動かす必要性を理解できる

3)継続した訓練ができ筋力や持久力が増進したと感じられる

OP

・生活範囲と活動性、ROM、姿勢の保持状態、セルフケア能力、症状の存在とその内容・部位性質

・活動時のバイタルサインの推移

TP

・活動性を抑制する要因を知りそれらをコントロールできるように援助する

・理学療法士と協力してROM訓練のプログラム立案実践する。可能なら患者にも参加してもらい希望を取り入れる

・温浴療法や包帯交換の場合ROM運動を取り入れ、毎日継続して実施する

・生活行動における工夫を要する点について、理学療法士とともに具体的対策を検討する

EP

・定期的に自分自身でROM運動を進めるよう説明する

・移動や立位の方法を具体的に教えるとともに安全対策について説明する

 

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#8熱傷を負った自分自身や瘢痕化した皮膚状態を悲観する

看護診断 ボディイメージ混乱、自尊感情状況的低下

関連因子:熱傷、瘢痕形成、瘢痕による運動障害、機能喪失

診断指標:身体の一部を見ない、自分の身体を避ける運動、現実に存在する変化を確認するのを拒絶する

看護目標

長期:自分の体の変化を受け入れ、新たな状況に向かう意欲を持つことができる

短期:1)自分自身の傷の状況を適切に理解し受け止めることができる

2)傷や自分自身に対する肯定的な言葉を発することができる

OP

・患者家族の心理・情緒的側面の把握

・傷や瘢痕についてどのように表現し扱っているかを観察する

TP

・暖かさと肯定的な態度をもって患者にかかわり続ける

・熱傷を負ったことや傷について患者が感じていること・思いなどを聞き出し傷や瘢痕に対する新たな視点や見方を提案する

・患者自身が自分の長所や強み、これまでの成功体験やコーピング方法を振り返る機会を設け、強みを生かした生き方や考え方・行動を一緒に考える

・身なりを毎日整えるように患者に促す

・患者会や美容外来などを紹介し悩みや要望の変化への対策を見出すことができるように援助する

EP

・瘢痕や色素沈着、痛みなどについて長期的な回復の展望を患者家族にわかりやすく説明する

・スキンケア方法とともに服装の工夫や外出の際の注意点について指導する

 

参考資料:疾患別看護過程

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