水虫の予防と処置
水虫になったらどうする?
Q:なぜ水虫になるの?
A:足が蒸れて水虫になったとよく聞きますが、群れただけでは水虫になりません。
水虫の原因となる白癬菌が皮膚に付着し皮膚の表面の角質層に入り込んで増殖したことで水虫になります
白癬菌は水分と栄養源があると増殖を繰り返します
白癬菌による皮膚病は全身の皮膚に見られますが最も多いのが、足の裏や足の指の間にできる足白癬(足水虫)です
次いで足の爪にできる爪白癬(爪水虫)であり、それ以外の手や頭、股間にできるものは少なくなっています
Q:水虫になるとかゆくなる?
A:水虫といえばかゆいという印象がありますが、すべての水虫がかゆみを幼児るわけではありません
むしろかゆみのある水虫は全体の1割程度と少ないのです。ムズムズする、皮がむけるなどその症状が実に様々であまり症状が出ないこともあります
Q:夏になると水虫の症状が現れるのは なぜ?
A:一般的に水虫は趾間型や水疱型から始まり、これらを繰り返すうちに爪白癬になります
夏になると症状が強く現れるのは趾間型や水疱型です
白癬菌は高温多湿の環境を好むため、この環境下で盛んに増殖し始める夏に症状が強く現れるのです
逆に冬は低温感想なので白癬菌の活動が低下し症状は出なくなりますが、水虫が治ったわけではありません
Q:女性より男性が多いの?
A:患者さんには働き盛りの男性が多くみられます。理由は通気性の良くない革靴を一日中履く機会が多く、群れた靴の中で白癬菌が増殖しやすいためです
主婦など家庭で多く過ごす人には少なく、男性も引退すると減る傾向にあります
Q:水虫かどうかはどう見分けるの?
A:見分けるには皮膚科を受診することが必要です。医師が皮膚の一部を削って顕微鏡で観察し白癬菌が見つかれば水虫と確定診断できます
Q:水虫ではなかったのに爪白癬になることはある?
A:爪白癬は白癬菌が詰めに感染した水虫です。単独で爪白癬になることもありますが、ほとんどの場合、趾間型や水疱型の水虫に気づかず放置したことが原因です
爪白癬は高齢者によく見られ、なかには爪の老化現象だと勘違いして治療しないまま放置する人も見られます
水虫は白癬菌による皮膚病だが、かゆみがあるとは限らず気づかないことも少なくないです。足の皮膚に異常を感じたら受診して水虫かどうかを診断してもらうことが必要です
Q:どんな場所が白癬菌の感染源なの?
A:白癬菌の感染源は家庭内や公共施設の脚拭きマット、床、サンダル、スリッパなど素足で触れることの多い場所や履物です
これらには水虫のある人の足から剥がれた皮膚片とともに白癬菌が潜んでいます。そこに接触すると白癬菌が足に付着し感染することになります
Q:プールや銭湯をよく利用するが、予防するには?
A:白癬菌が付着しても歩いている間に剥がれ落ちることもありますが、予防のため靴を履く前に足に付着した白癬菌を落とし、足をよく乾かしてから靴を履き家庭内に白癬菌を持ち込まないようにしましょう
帰宅したときや、寝る前などに足を洗う習慣をつけるとよいでしょう
Q:家庭内感染を防ぐにはどうする?
A:家庭内感染は家族に水虫の人がいたり、家族が外から白癬菌を足につけたまま帰宅し家でまき散らすことで起こります
感染源になりやすいサンダルやスリッパは共有しない、足ふきマットなどはよく洗ってから干すなどが重要です
白癬菌の感染源は足ふきマットなど人が素足で触れることの多い場所や物です。予防には足を乾いた状態に保ち1日1回石鹸で軽くなぜるように洗うとよいです
Q:靴や靴下の注意点は?
A:靴を履く時間をなるべく短くし、乾燥のため毎日履き替えましょう
靴下は通気性の良い綿やシルクなどの素材を選びます。水虫のある家族の靴下と一緒に洗っても菌は洗い流されるので問題はありません
Q:感染予防で最も心掛けたいことは?
A:白癬菌が角質層に入り込むには足に付着してから約24時間かかるといわれます
感染予防には1日1回足を軽くなぜるように洗うことが重要です。ゴシゴシこすり洗いをして足を傷つけてしまうと、その傷から白癬菌が入り込むので厳禁です
足に残った水はよくふき取り足を乾かすのも大事です。ドライヤーで乾かすとよいでしょう
Q:水虫にはどんな治療をするの?
A:趾間型や水疱型では角質層に白癬菌がいるので、治療は抗真菌薬の外用薬(塗り薬)が中心になります
角質増殖型、爪白癬では従来の外用薬は白癬菌のいるところまで届かないので飲み薬が中心になります
Q:外用薬の塗り方のポイントは?
A:足の指の間からかかとまで、足の裏全体にむらなく塗ることが重要です。これは患部以外にも白癬菌が潜んでいる可能性があるからです
塗るのは1日1回で十分で、薬が浸透しやすい風呂上りがよいでしょう。チューブ入りのクリーム10グラムなら約2~3週間で使い尽くすことが目安です
Q:外用薬を使うときの注意点は?
A:外用薬を使うと白癬菌の増殖が抑えられ、症状は2週間程度で収まるのが一般的です
ただしその時点ではまだ白癬菌が生き残っているので使用をやめないようにします。塗り始めたら最低1か月は続けてください
途中で薬を中断したら改めて塗りなおしましょう。最低1か月は足の裏全体にきちんと塗り続けてください
Q:市販の外用薬でも治せるの?
A:市販の外用薬は医師による処方電と同じ有効成分を含んでいるので、効果は得られます
しかし、市販薬には有効成分以外にかゆみ止めや清涼剤なども含まれるので、その分かぶれなどの副作用が起こる可能性があります
Q:水虫を治療中だけども、なかなか治らないのは?
A:かつては水虫を治す薬はないといわれたこともありますが、現在では薬できちんと治療すれば完治します
しかし「治療が不十分」「いったん治ったけれど再感染した」という場合も多くあります。このため治らないという印象が強いのかもしれません
正しく治療を続けることでよい結果に結びつくでしょう
家族に水虫の人がいれば、家族全員で治療に取り組まなければ水虫と縁を切ることはできません
Q:爪白癬は内服薬でしか治らない?
A:従来、爪白癬の治療には内服薬が必要とされてきましたが、最近詰めに浸透しやすく有効な外用薬が開発され使われるようになりました
内服薬と爪専用の外用薬を併用することでより治療効果が高まることが期待されます
Q:爪白癬の治療は1年以上かかるってホント?
A:爪白癬にかかった詰めが全部きれいな状態になって感知するまでに尾は個人差がありますが、内服薬は1年以上治療を継続する必要があります
新しい爪が伸びてきて健康な爪に入れ替わるのを待つしかないからです
根気よく治療することが必要ですが、2~3か月治療を続けると爪の根元から健康な詰めが生えてくるので治療を続ける励みになるでしょう
治ってからも外用薬を1週間に1~2回程度使うと、ある程度予防効果が期待できます
参考資料:「きょうの健康」