高齢者ケア・慢性腎不全
疾患から見た高齢者ケア・慢性腎不全
腎不全とは腎臓や腎臓以外の増飯野障害などによって、体内の水・電解質のバランスが保てなくなり、老廃物を体内に蓄積してしまう状態である
腎不全の起こり方が、穏やかで数年から数十年かかるものが慢性腎不全である
おもな症状
・慢性腎不全では、たんぱく質、糖、脂質、ホルモン、水、電解質などの全身の代謝異常として極めて多彩な検査所見・臨床症状を示す
・症状が進行すれば、心不全、肺水腫、心外膜炎、不整脈、けいれん、昏睡などの重篤な病態を示す
・具体的な自覚症状としてはむくみ、動悸、呼吸困難、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、不眠、頭痛、不安感集中力の低下、しびれ感、多尿、乏尿、全身倦怠感、虚脱感、皮膚のかゆみなどがある
観察ポイント
①合併症の予防及び早期発見のために
・免疫機能低下により感染を併発しやすいため発熱がないか
・心臓合併症の早期発見のため、不整脈がないか
・肺炎や肺水腫などの併発に注意するため、呼吸数の異常と呼吸困難はないか
・血圧の変動の有無はないか
②腎不全の悪化の症状の有無・変化がないか
③食事、水分摂取、服薬管理などの医師からの指示内容と本人の理解度はどうか
生活援助上の注意事項・留意点
①合併症の予防及び早期発見につながる観察を行う
観察のポイントに従い、自覚症状や他覚症状の変化に注意し、変化がなくとも定期的な受診を行っているかを確認する
また常時臥床の対象者については、特に体位変換、深呼吸、痰喀出を行い、肺炎や褥瘡の予防を行う
②日常生活の指導と管理
観戦を受けやすいため日ごろから体調を整える。症状の悪化時は安静と保温を守る
③食事指導とその管理
主として低たんぱく、高カロリー食、塩分及びカリウムの制限が基本になる。カリウムは果物や野菜に多く含まれる。水分は心不全を併発していなければ特に制限されない
④精神面の援助
特に透析を受けている対象者の場合、常に不安を抱きながらの生活となるため、家族を含めた支援によって対象者の生きがいを、支えていくことが一つの重要な目標となる
⑤社会復帰への援助
社会資源を有効に活用しながら、対象者の社会復帰に関する支援を行う
参考資料:高齢者ケア