挿管中の患者の吸痰方法について

挿管中の患者の吸痰方法について

スポンサーリンク

挿管中の患者の吸痰方法

挿管中の患者の吸引で、口腔内、管内、カフと吸引していくがその際の順序はどうすべき?→口腔内やカフ上部に液体が貯留しすぎないようにすることが重要

どの順序が良いかは明らかではない。重要なのは口腔内やカフ上部に液体が貯留しすぎないようにすることである。

液体貯留を防ぐ

挿管チューブのカフに貯留している液体は、どんな時でもカフ以下に垂れ込む可能性がある。吸引を行う行わないにかかわらず、口腔内やカフ上部に液体が貯留しすぎないように援助することが必要である。

患者の状態を見ることが大切

口腔内やカフ上部の吸引を行った後に気管吸引を行うか否かは、患者の状態によっては気管吸引を先に行う方が良い場合もあり、ケースバイケースである。


患者への負担を最小限にして吸引を行う方法は?→患者への精神的・身体的負担を最小限にして患者に合ったケアプランを考える

最小限の苦痛で酸素化を維持できるように努める。

すべての患者に対して同じ手順で行うのではなく、目の前の患者にはどのような方法が適しているかを考えて行うことにより、患者への負担を最小限にできる。

8つの基本事項を参考に個々の患者に合ったケアプランを考える。




吸引を行う上での8つの基本事項

①本当に吸引が必要なのかについてアセスメントする。

②患者の精神的負担を軽減するため、これから行うケアを説明する(なぜ必要なのかを理解してもらう。この説明が出来なければケアを行う看護師自身もなぜ必要なのかを理解していないことになる)

③吸引前に十分な酸素化を図れるように、人工呼吸器装着中であればサクション機能を使用し、酸素療養中であれば2~3回ほど深呼吸をしてもらう。

④吸引カテーテルが挿入されるときには刺激があること。その刺激によって咳が出る可能性が高いことを説明しながら、1回の吸引時間は10~15秒以内で終了する。可能な限り短い時間で吸入を終える。

⑤吸引カテーテルは深く挿入しすぎない。深く挿入して吸引を行うメリットはない。深く挿入することで合併症を起こす原因になる。

吸引圧は150mmHg程度が良いとの文献もあるが、具体的に明確になっていない。合併症を起こすこともあるため過剰な吸引圧は避けるべきである。

おこりうる合併症は気道粘膜損傷、出血、気管支攣縮、無気肺、低酸素血症などである。

⑥人工呼吸器装着中であれば閉鎖式吸引カテーテルを使用することで開放式よりも気道内の陽圧を維持し、酸素化を維持できる。

⑦連続した吸引は患者の疲労苦痛を増強する為、1回目の吸引が終了した時点で、再度吸引が必要なのかを必ず評価する。

⑧吸引終了後は患者の反応(苦痛の程度、気道浄化の程度、バイタルサイン)を確認する。

 

参考資料:看護技術ケアの疑問解決Q&A

タイトルとURLをコピーしました