狭心症・心筋梗塞患者の看護計画
#1心筋虚血に伴う胸痛がある
看護診断 急性疼痛
関連因子:循環器系の障害
診断指標:合い図による疼痛の訴え、疼痛があることを表現する行動、苦悶様顔貌
看護目標
長期:胸痛の原因となる活動を明らかにして軽減することができる
短期:1)胸痛を起こす活動を言うことができる
2)胸痛の原因となる活動を避けることができる
3)胸痛が起こった時の対処方法を実行することができる
OーP
・症状の部位、疼痛の程度、出現状況の観察
TーP
・発作時は安静を促し、医師に相談して硝酸薬を舌下投与させる
EーP
・発作時は速やかに医療者へ伝えるように指導する
・発作の原因となる活動について話し合う
・発作が起こった時は、安静にして硝酸薬を舌下でとかすように指導する
#2狭心症症状のためにADLに制限がある
看護診断 活動耐性低下
関連因子:疾患
診断指標:活動に対する血圧、心拍数の異常な反応、労作時の呼吸困難
看護目標
長期:発作を起こすことなく日常生活を送ることができる
短期:1)発作の原因となる活動を言うことができる
2)発作の原因となる活動を避けながら、日常生活を送ることができる
OーP
・発作が起こる時の症状、活動状況を観察する
TーP
・発作が起こった時は安静を促し医師へ報告し、硝酸薬の使用を相談する
EーP
・寒暖の差に注意し、衣類や暖房などで調整するよう指導する
・必要時、活動の途中に休息を挟むように指導する
・胸痛が起こった時は安静にして硝酸薬を使用するように説明する
#3入院生活および夜間、早朝の胸痛発作のために、十分な睡眠をとることができない
看護診断 不眠
関連因子:身体的不快、環境の変化
診断指標:患者が入眠困難を訴える、患者が睡眠持続困難を訴える
看護目標
長期:十分な睡眠により満足のいく日常生活を送ることができる
短期:1)睡眠状況を言うことができる
2)夜間眠れない原因を言うことができる
3)夜間眠れない原因を取り除くことができる
OーP
・睡眠時間、熟睡感の観察
TーP
・患者が安静に入眠できる環境を整える
・睡眠薬の必要性、内服時間と量を医師に相談する
EーP
・生活時間を規則正しく整えるよう指導する
#4患者家族が疾患に対する不安を抱えている
看護診断 不安
関連因子:健康状態の変化、健康状態に対する脅威、侵襲的検査及び処置
診断指標:胸痛、人生の出来事の変化による心肺を表明する
看護目標
長期:患者家族の疾患に対する不安が軽減され、心身共に安定した入院生活を送ることができる
短期:1)不安の原因について言うことができる
2)不安の軽減方法を検討することができる
OーP
・患者、家族の疾患に対する受け止め方の把握
・不安の原因の把握
TーP
・不安を表出しやすい環境を作る
・不安の原因を除去できるように支援する
EーP
・症状や検査、治療についてわかりやすく説明する
#5安静による運動不足のために便秘を起こしている
看護診断 便秘
関連因子:不十分な身体活動
診断指標:排便回数の減少
看護目標
長期:規則正しい排便があり、腹部不快感が消失する
短期:1)便の性状を観察することができる
2)腹部マッサージを行うことができる
OーP
・排便回数、便に性状の観察
・腹部不快感の観察
・腸蠕動音の観察
TーP
・適切な水分摂取夷計画に基づいて水分摂取を図る
・必要に応じて腹部マッサージや温罨法を行う
・2日以上排便がなければ、医師と相談の上緩下剤の調節や投与、坐薬を検討する
EーP
・患者に対し、安静によって便秘になりやすいことを説明し、予防方法を指導する
#6薬の副作用によるめまいや血圧低下によって、転倒の危険がある
看護診断 転倒転落リスク状態
危険因子:血管拡張薬、起立性低血圧、下肢筋力の低下
看護目標
長期:転倒しないための予防行動をとることができる
短期:1)転倒の危険性を高める因子を明らかにできる
2)転倒しないための方法を述べることができる
OーP
・内服薬の作用、副作用の程度の観察
・硝酸薬使用時の効果の観察
・四肢の筋力の観察
TーP
・安静による四肢の筋力低下がある場合はリハビリテーションを一緒に行う
・歩き出す前に下肢を降ろして座位になる時間を作る
EーP
・硝酸薬は座って使用するなど安全な環境で使用するよう指導する
・薬の副作用で転倒しやすい状態であることを説明し、移動時は手すりなどを使って歩行するように促す
#7狭心症についての知識が不足している
看護診断 知識不足
関連因子:情報の誤った解釈
診断指標:問題を言葉に出して表す、試練や指示されたことをいい加減に遂行する
看護目標
長期:情報の誤った解釈
短期:1)問題を言葉に出して表す
2)試練や指示されたことをいい加減に遂行する
OーP
・治療や検査に対する患者の協力の様子
・治療や検査に対する考えの観察
TーP
・治療や検査の流れが予測しやすいように支援する
EーP
・治療や検査についてわかりやすく説明する
#8適切な服薬ができないために、薬の効果が減少している
看護診断 ノンコンプライアンス
関連因子:計画された治療行動に関連する知識と技能
診断指標:指示に沿っていないことを示す行動、改善しない
看護目標
長期:適切な服薬行動によって最大の治療効果を得ることができる
短期:1)服用する薬の作用、副作用を正しく理解できる
2)適切な服薬方法を述べることができる
OーP
・内服薬の服薬方法を聴取する
・適切に服薬できない要因を明らかにする
TーP
・患者の希望を聞き服薬の量と時間を医師に相談するよう援助する
EーP
・薬の作用副作用について説明し、正確に服薬するよう指導する
#9狭心症を再発しないための生活習慣を獲得できない
看護診断 非効果的自己健康管理
関連因子:知識不足、治療計画に対する不満
診断指標:疾患を管理したいと言葉に出す、危険因子を減少させる行動をとることができない
看護目標
長期:再び狭心症にならないために生活を改善することができる
短期:1)生活の中でリスクファクターを述べることができる
2)リスクファクターを是正する生活方式を述べることができる
OーP
・日常生活におけるリスクファクターを確認する
TーP
・リスクファクターの多い生活の改善方法について患者と話し合う
・改善方法が実行可能であると思えるように支援する
EーP
・リスクファクターを減らす理由を説明する
#10狭心症症状によって活動が制限されるために、家事や仕事などのこれまでの役割を遂行できない
看護診断 非効果的役割遂行
関連因子:狭心症
診断指標:役割り再遂行のための能力の変化
看護目標
長期:狭心症発作を起こさない生活に適した役割遂行方法を見つけることができる
短期:1)之までの役割の中で狭心症の発作の原因を言うことができる
2)役割遂行のための改善方法を言うことができる
OーP
・これまでの役割について確認する
・発作の誘因について明らかにする
TーP
・これまでの役割遂行が可能患者と話し合う
・役割遂行のための改善方法について話し合う
EーP
・狭心症発作を再び起こさないための行動の必要性とその理由について説明する
参考資料:疾患別看護過程