高血圧症・動脈硬化症患者の看護計画
#1薬物療法、生活習慣の修正に伴う健康管理行動の実施や定期的な外来受診が困難である
看護診断 非効果的自己健康管理
関連因子:治療計画の複雑さ、知識不足
診断指標:指示された治療方法を実施するのが難しいと言葉に出す
看護目標
高血圧症、動脈硬化症の治療を日常生活に組み入れることにより、合併症予防につながることを説明できる
OーP
・身体の状態
・学習能力
・疾患や治療に対する理解の程度
・疾患や治療に対する不安
TーP
・治療や食事療法、薬物療法に関する知識の指導
・薬物の内服指導
EーP
・患者家族に治療計画、疾患の経過、生活習慣の修正の必要性の説明
・合併症症状とその対処方法を説明する
#2指示された食事療法、薬物療法を遵守できない
看護診断 ノンコンプライアンス
関連因子:計画された治療行動に関連する知識、ケアへのアクセスしやすさ、ケア提供者の定期的なフォローアップ
診断指標:指示に沿っていないことを示す行動、症状悪化の徴候
看護目標
1)薬物療法を継続でき、適正な範囲に血圧が維持できる
2)指示された食事の制限を守り、適正体重を維持することができる
OーP
・血圧値
・めまい、起立性低血圧、頭痛、眠気など降圧薬の副作用の発現状況
・食事摂取量、食事時間
・体重増加、BMIの変化
・生活活動強度
・塩分摂取量
・嗜好品(特に喫煙、飲酒)の摂取状況
TーP
・家庭での血圧測定を指導する
・食事療法の指導
・内服する薬物に関する作用・副作用の説明
・内服の自己管理方法について説明する
・内服薬の副作用症状が発現した場合の対処方法を指導する
EーP
・摂取エネルギーの決定とその管理方法について説明する
・体重測定の意味とその方法について説明する
・禁煙、飲酒の制限について説明する
・患者の状況に応じて、医師、栄養士と協力して食事療法が継続できるように支援する
#3疾患、治療に対する知識不足に関連して家族機能が破たんする可能性がある
看護診断 家族機能破綻
関連因子:家族役割の変化、経済的負担
診断指標:ライフサイクルの移行が困難、家族の情動的なニーズを満たすことができない、役割機能の変調、家族役割の破綻
看護目標
患者家族が疾患治療を理解し、安定した生活を送ることができる
OーP
・患者家族の疾患に関する言動
TーP
・家族の協力体制を確認する。生活習慣食習慣の補正が家族全員に影響する可能性もあり、家族が患者とともに一緒に考える
・家族の身体的、精神的状態について確認する
EーP
・疾患について知識不足があれば補足する
・患者の状態が重篤化、長期化しそうな場合は社会資源の活用などについて説明する
#4めまいやふらつきなど、薬物の副作用症状出現によって、転倒したり身体を損傷する危険性がある
看護診断 身体損傷リスク状態
危険因子:薬の副作用症状の出現
看護目標
1)薬の副作用症状に気づくことができる
2)身体損傷を防止する安全な手段をとることができる
OーP
・身体の状態・意識
・セルフケア能力の程度
TーP
・ベッド周囲の環境を整備する
・患者のセルフ機能能力を配慮したうえで歩行や移動時は援助する
・服薬後にめまいが出現する場合は、活動を控えるように説明する
・薬の作用・副作用を説明し、副作用が出現した時は家族を交えて対処方法を考える
・長期にわたる服薬を継続するためには、患者との信頼関係を構築し、治療に対する率直な気持ちを話し合えるようにする
EーP
・患者家族に服薬の管理方法を説明する
・患者家族に内服薬の副作用症状が発現した場合の対処方法を指導する
参考資料:疾患別看護過程