骨折患者の看護計画

骨折患者の看護計画

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#1 骨・周囲組織の損傷による痛みとギブスなど固定具による痛みがある

看護診断 急性疼痛

関連因子:骨折

診断指標:合図による・言葉による疼痛の訴え、疼痛を避けるための体位付け、苦悶様顔貌、睡眠障害

看護目標

長期:疼痛が緩和したことを表現できる

短期:疼痛の漸減と疼痛緩和法の実施後に疼痛が緩和したと表現できる

OP

・痛みの原因:骨折、浮腫、アライメント異常、スプリント(副子)または牽引、ギブス

・患者の痛みを0~10で表現するなど疼痛スケールを用い、最良の時、最悪の時、疼痛緩和法実施後の各時点について評価する

・痛みの身体的徴候、心拍数、呼吸数、血圧の上昇、落ち着きのなさ、顔をしかめること、痛みの防御規制

・鎮痛薬の使用状況と効果

・指先の皮膚色と巧緻性など

・良肢位が保持されているか

TP

・できるだけ損傷部位を動かさないようにする、指示があればスプリントを使用する

・禁忌でなければ患肢を挙上する

・疼痛の原因を探り、枕の挿入や言葉かけなどを行い、緩和できるよう工夫する

・三角巾や枕などにより良肢位を保持する

・ギブスの圧迫が強い場合は医師に報告し、可能なら割線をいれたり、巻き直してもらう

EP

・体位を変える時はゆっくり行うよう説明する

・痛みがある時はその性状や程度について医療者に伝えるよう説明する

・鎮痛薬の効果について説明し痛みを我慢しないよう説明する

・痛みを我慢することの影響を説明する

 

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#2 ギブスや装具の装着と患部の安静により身体運動が制限される

看護診断 身体可動性障害

関連因子:骨折

診断指標:関節可動域の制限、体位変換が困難、姿勢の不安定さ

看護目標

長期:患部の安静を保持しながら身体の動かし方がわかり実践できる

短期:看護師の介助により身体の動かし方がわかる

OP

・ギブスの様子、牽引や包帯の巻き具合を最初は1~2時間ごと、その後は4時間ごとに確認する

TP

・骨折部位の上下の関節を支えながら、損傷組織を静かに扱う

・浮腫を予防するため骨折部位を氷嚢で冷やす

・禁忌でなければ患肢を挙上する

・疲労した筋肉を休ませるため、正しい体位がとれるように介助する。患者の体位は2時間ごとに変える

・起き上がる時に骨折部位の安静が保て最も負担が少ない方法を患者とともに考える

・関節運動を伴わない等尺性運動によって、筋力を維持する

EP

・損傷した組織や筋肉の修復を図るため、指示があればベッド上安静を守るよう説明する

・安静の必要性と、足の骨折では骨折部位に荷重をかけない理由について説明する

・等尺性運動の方法を説明し、患者が一人でも行えるようにする。回数についても説明する

#3 ギブスや装具などの装着により皮膚を損傷しやすい

看護診断 皮膚統合性障害リスク状態

危険因子:圧迫、皮膚の湿潤

看護目標

長期:褥瘡など皮膚の異常がなくギブスを除去できる

短期:1)皮膚の異常が起こらない

2)患者自身が皮膚を観察でき異常に気付くことができる

OP

・ギブスや装具による圧迫感の有無

・疼痛の有無

・ギブスの辺縁が皮膚に当たっていないか

・周辺皮膚の発赤や表皮剥離の有無

・発熱や腫脹の有無

・不快感や痒み、知覚障害など随伴症状の有無

・食事摂取量

・検査所見

・ギブス除去時の褥瘡形成の有無と程度、部位、発赤、水疱、びらん、壊死、潰瘍などの有無と大きさ

TP

・圧迫があれば医師に報告し、可能ならギブスの割線や開窓を行う

・ギブスの辺縁が当たっている場合は、ガーゼなどで保護したり可能なら医師にギブスカットやギブスのまき直しをしてもらう

EP

・ギブスの圧迫や疼痛があれば報告するよう説明する

・皮膚の清潔や乾燥を保つため、濡らしたり汚染したりしないようにする

・食事をしっかりとり栄養状態を良好に保つように説明する

 

 

#4 知識不足のため骨折の治癒を促進する行動がとれない恐れがある

看護診断 非効果的自己健康管理

関連因子:知識不足

診断指標:治療計画を毎日の生活に組み込むことができない

看護目標

長期:治療を守り骨折部が整復する

短期:1)異常の早期発見に努め、異常時は医療者に報告できる

2)骨折部位の治癒を促す行動がとれる

OP

・患者や家族の生活、理解力、不安、疑問の有無

・家族背景

TP

・体動時の危険がないように環境整備を行う

・特に禁忌でなければ、骨折部位やギブス部位をビニールなどで保護して入浴する

EP

・重度の痛み、疼き、しびれ、変色、四肢冷感があればすぐに報告するように伝える

・感染の徴候と骨髄炎の徴候を説明する

・行動の制限を説明する

・ギブスを濡らしたり汚染したりしないように説明する

 

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#5 突然の受傷で予後に対する不安がある

看護診断 不安

関連因子:健康状態の変化、健康状態に対する脅威

診断指標:人生の出来事の変化による心肺を表明する、不眠、焦燥感、不確かさ

看護目標

長期:不安が軽減したことを表現し、リハビリテーションや治療に前向きに取り組むことができる

短期:今後の経過や予後について理解したことを表現できる

OP

・疾患、検査、治療に対する患者の情報量とその理解の程度

・表情、言葉、態度の表出状況と不安の程度との関係

・性格傾向、コーピングパターン、サポートシステムなどと不安との関係

・現状に対する受け止め方、患者の考えている対処方法

TP

・適切な時期を見て、患者の不安の原因が何であるのか、言葉で表現するよう励ます

・患者が混乱しているときは、心理的対応をする時間を与える

・物事を前向きに建設的に考えるよう勧める

・今後の治療方針や治療にかかる時間について情報を提供する

EP

・入院環境、疾患、検査、処置についての患者の理解状況を確認し不足があれば補う

・疾患や治療に関する知識を重要他者にも伝え、患者へのサポートが継続できるよう励ます

・仮骨形成が進めばギブスが外れ、運動が開始されることを説明する

 

 

参考資料:疾患別看護過程

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