アルツハイマー病の看護診断・言語的コミュニケーション障害
看護診断:退化した認識的状況に関連した言語的コミュニケーションの障害
看護目標:
①患者との効果的な言語と言語以外のコミュニケーションを確立する
②痴呆が増悪し、言語による伝達力の低下した場合に、患者が必要としていることを理解する
徴候と症状:単語の反復、単語の探求する、無意味な言語の使用、興奮、敵対的
看護介入:
①患者に対し開放的で、親しげに穏やかな態度と表現で物静かに接する
②患者に清明でゆっくりとした口調で話す
③常に自分がだれかを患者に伝え、患者をまっすぐに見るようにする
④患者の聴力と視力を評価する。もし欠陥が認められたらさらに精密検査し、治療を受けるようにさせる
⑤顔の表情、身振り、姿勢、しかめ面、増悪する不穏状態などのような言語以外の行動を評価する
⑥患者との会話中は雑音を最小限にする
⑦患者の過去の状況や歴史を表現できるよう励まし、必要に応じてすぐそうさせる
⑧コミュニケーションの必要を最小限にするために、日常の行動を決めてそれを守る
⑨患者の過去の写真を含む回想療法の本を使用する
理論的根拠:
①アルツハイマー病の患者は彼らを取り巻く人々の影響を反映する傾向がある
②せわしない口調は不安と緊張を伝える
③自己紹介して患者を注視することで、患者の注意を引くことができる
④聴力と視力の欠陥はコミュニケーションの障害になる
⑤言語以外の合図が、痛みや不快感を与える唯一の手段の可能性がある
⑥周囲の雑音は注意散漫の原因となることがある
⑦アルツハイマー病の患者は病気の末期まで昔の記憶はよく保たれている。患者の覚えていることを話させることは鎮静になる
⑧もし患者と介護者が日常の行動を決めてそれを守れば、言葉での意思伝達は不必要である
⑨視覚的刺激はそれが繰り返し使われてきたときは、特に昔の記憶の刺激となる
患者目標:
・介護者は患者が必要としていることを理解する能力が向上したことを示すことができる
・介護者は患者とのコミュニケーション能力が不足していたことによるフラストレーションをほとんど減らすことができる
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン