パーキンソン病の看護診断・言語的コミュニケーション
看護診断:発音がうまくできない、顔の筋肉を動かせない、書くことができないなどの問題に関連した言語的コミュニケーション
看護目標
コミュニケーションの障害を検知し、患者が欲求と必要性を効果的に伝達できるよう援助する
徴候と症状
言葉の終わりを省略する不明瞭な話、社会的孤立、低い声、消えそうな声、単調な声、早口、音や単語の抑制できない繰り返し、発音が貧弱、声の質の変化、顔の筋肉を動かせない
看護介入
① 会話をすることで患者の会話能力を評価し、名前、短い語句、文章を書くように患者に依頼し患者の書字に能力を評価する
② 顔の筋肉を動かすよう患者を励ます。たとえば渋顔、笑顔、眉をしかめるなど、鏡の前で顔の表情を変えたり舌を出して顎、鼻、頬につけるようにする
③ 話すときは相手の顔を見てゆっくり明確に話し、もし相手が聞きづらければ大きな声で話すよう患者を指導する
④ 話始める前に息をして、数単語ごとや1単語ごとに区切り、話すときは舌、口唇、顎を強く動かすようにして発音するよう患者に指導する
⑤ 患者に次の言葉を話す前に単語の最終子音を発音するように勧める
⑥ 短く簡潔な文節や文章を話すよう患者に勧める
⑦ 話している間、時間にゆとりを持つよう患者を励ます
⑧ 大声で話せない患者に携帯用拡声器を勧める
⑨ わかりにくい患者にジェスチャーや合図を使うよう勧める。例えば物を指し示したり伝言板を使うなど
⑩ 書くのが不可能な患者には、タイプライターを用意する
⑪ もし患者がコミュニケーションをとる方法を見いだせないときは、原義療法士に相談する
理論的根拠
① パーキンソン病では低温で単調な声で、聞き取りにくい不明瞭な会話となる。字を書かせるとだんだん小さくなり、ついに読み取れなくなるまで小さくなる
② これらの運動はお面のような瞬きも少ない顔の表情を改善するのに役立つ
③ 声量は聴きとれなくなるほど低下し、声帯とその周辺の組織の筋硬直は、低温の声と呂律困難の原因となる。これらの方法はコミュニケーションを改善するのに役立つ
④ パーキンソン病の患者は発音するときに一緒に息を吐くのを上手に調節するのが困難である
⑤ 正確に単語の最期を発音することは、単語の意味をはっきりさせるのに役立つ
⑥ 患者は理解してもらえる長い文章を作るのが困難である
⑦ 運動緩慢は会話における反応時間を遅らせ、またストレスとさらに努力しようとすることが運動を一層緩慢にする
⑧ この器械は声量が不適切であるときに音を増強する
⑨ 視覚的、聴覚的、固有受容的な合図はコミュニケーションを促進する
⑩ タイプライターを使うことは細かい運動機能を改善し、コミュニケーションを可能にする
⑪ 言語療法士はこれまでの指導を補強することができ、コミュニケーションを促進するのに他の方法を勧めることができる
患者目標
明瞭に話すようになるか、ほかに代わるべきコミュニケーションの方法を使うことができる
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン