血圧測定(バイタルサイン)の仕方について

血圧測定(バイタルサイン)の仕方について

スポンサーリンク

血圧測定の仕方

上肢の脈拍が触れず血圧が図れません。どうしたらよいですか?→血圧低下や血流障害の原因に応じて対処する。

脈拍が触れない原因として、以下の点が考えられる。それぞれの原因によって対処していくことが大切である。

  • ①触知できないくらい血圧が低下している
  • ②血圧測定しようとしている上肢だけ、何らかの理由で血流障害がある
  • ③触知している部位が不適切である

触知できないくらい血圧が低下している

  • 通常血圧測定には上腕動脈が用いられる。一般的に上腕動脈で脈拍が触知できる値は60mmhg程度と言われている。
  • そのため何らかの原因でショック状態を呈し収縮期血圧が60mmhgより低下した場合は、上腕動脈で脈拍が触知不可能な場合がある。
  • このような場合はまず患者の意識状態を確かめる。
  • 意識状態に問題がなければほかの原因が考えられる。
  • また意識レベルが低下している場合や意識レベルが確認できないような状況の時には、ほかの動脈を触知しおおよその値を把握し血圧を推察する。
  • 大腿動脈で脈拍が触知できる:50mmhg。頸動脈で脈拍を触知できる:40mmhg。全ての動脈が触知できない場合は直ちに心肺蘇生が必要になってくる。

上腕動脈に血流障害がある

  • 上腕動脈は鎖骨下動脈から分岐されているが、これらの動脈に狭窄や炎症が起こり脈拍が触知できない場合がある。
  • 大動脈炎症候群が有名である。
  • このような場合は一側性のことが多く左右の脈拍触知状態や末梢循環の左右差を確認していく。

触知している部位が不適切である

  • 脈拍は通常動脈が体表面に出てきているような浅い部位で触知する。
  • そのため、一般的には脈拍触知に橈骨動脈、血圧測定に上腕動脈が用いられる。
  • しかし高度の肥満や浮腫が著明な場合は上腕動脈がどこにあるのか分かりにくいことがある。
  • このような場合、橈骨動脈、腋窩動脈、足肺動脈などを用い触診法で血圧を測定する。

 




自動血圧計は血圧が高く表示されると言われましたが、何故でしょうか?→自動血圧計ではマンシェットの巻き方で大きく値が変わりやすいため

自動血圧計は血圧を測定する方法でコロトコフ法とオシロメトリック法の2種類に分類できる。血圧が高く表示されるのは、この自動血圧計の測定原理に起因するものである。

一般的に汎用されている自動血圧計の殆どがオシロメトリック法という方式を利用したものでこの方式はマンシェットの巻き方で大きく値が変わりやすいという特徴がある。

コロトコフ法

  • コロトコフ法は、腕に巻いたマンシェットで動脈を圧迫して血流を止め徐々にマンシェットの圧力を下げていき、血流が再開した時に出る音が聞こえ始めた時の圧力を最大血圧歳、その音が聞こえなくなった時の圧力を最小血圧とする。
  • これは聴診法で測定する原理と同様だが、音はマンシェット内にあるマイクで感知する。

オシロメトリック法

  • オシロメトリック法は、マンシェットの圧力を下げていったとき動脈派の振動を圧力の変化としてとらえ測定する方式である。
  • これは簡単に言うと実際の血圧ではなくマンシェットの内圧を図っているのである。現在普及している自動血圧計は、このオシロメトリック法が一般的である。
  • その為マンシェットの圧力がうまく動脈に伝わらないような場合、マンシェットを余分に加圧する必要がある。
  • つまり実際の血圧よりも高い数字が出ることになる。
  • ただし、最近の自動血圧計では聴診法で測定した時の値と一致するよう解析プログラムが取り込まれている。
  • そのため血圧値は聴診法で測定した数値と比較的一致したものになってきている。

 

参考資料:看護技術ケアの疑問解決Q&A

タイトルとURLをコピーしました