結核患者の看護計画

結核患者の看護計画

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#1痰を十分に喀出できず、無気肺など呼吸器合併症のリスクがある

看護診断 非効果的気道浄化

関連因子:分泌物の貯留、気管支内の分泌物

診断指標:呼吸困難、発声困難、咳嗽の消失、大量の喀痰、呼吸副雑音、呼吸リズムの変化

看護目標

長期:1)気道分泌物を取り除き、酸素供給を十分にする

2)感染症を治療し、追加治療が必要となる変化に注意しながら、患者の呼吸状態を最適なレベルにしておく

短期:薬物療法を始めて1週間以内に熱が下がり、呼吸困難が軽減され体調がよくなることを感じることができる

OーP

・患者が起きている間は4時間おきにバイタルサインを評価し、呼吸音を聴収する

・服薬状況を綿密に評価する

・必要に応じて喀痰を採取し、培養検査を行う

TーP

・患者が起きている間は2~4時間おきに寝返りをし、咳をし、深呼吸するようにする

・医師の指示や必要に応じて鼻腔カテーテルを使用する

・できるだけ毎日250㏄のコップで8~12杯(2000~3000ml)の水を飲むように勧める

・医師の指示により抗結核薬を投与する

EーP

・患者と介護者に抗結核薬の使用方法を指導する

・抗結核薬の副作用について患者に指導する

・イソニアジド療法を受けている患者には飲酒をやめるように指導する

 

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#2感染予防行動が守られず、他者への感染のリスクがある

看護診断 感染仲介リスク状態

危険因子:結核菌の感染力、空気感染

看護目標

介護者や家族、他社に結核が広がるのを予防する

OーP

・臥床安静や個室隔離によって引き起こされる便秘、褥瘡、身体機能の低下や精神機能の低下、社会的孤立などによって合併症が起こらないか調べる

TーP

・隔離病室に入試させる、陰圧を維持した個室でドアは常に閉められ、室内の空気は室外に漏れない

・咳をするときは顔を背けテイシュペーパーの中に咳をし、使ったテイシュペーパーは適切に捨てる

・患者が適切な衛生手順をとることができないときや、部屋を離れる時には患者に必ずマスクをさせる

・感染期間にある患者を乳幼児から隔離する

EーP

・患者家族に結核菌の感染経路と、患者の痰、排泄物、吐物の扱い方を指導する

#3咳や発熱、倦怠感など全身症状により、食欲が低下したり自力で食事をとることができなくなる

看護診断 栄養摂取消費バランス異常:必要量以下

関連因子:食物の摂取ができない

診断指標:理想体重より20%以上少ない体重、嚥下や咀嚼に必要な筋力低下

看護目標

長期:体重の減少を防ぎ、栄養状態を改善する

短期:食事摂取量が増加する

OーP

・結核に罹患した早い時期から、毎日同じ時刻に同じ体重計で患者の体重を測る、その後は指示に従って1~2週間ごとの測定にする

・血清電解質、尿素窒素、アルブミン値などの検査結果を評価する

TーP

・必要に応じて食事の介助をする

EーP

・高たんぱく高エネルギーの食事を食べるように指導する

・1回量を少なく分割摂取し1日のそう摂取量をふやす

・必要に応じて栄養士に相談する

 

 

#4全身性の消耗性疾患により体力の低下がみられる

看護診断 活動耐性低下

関連因子:全身衰弱、床上安静

診断指標:活動に対する血圧心拍数の異常な反応、労作時の不快感、衰弱の訴え

看護目標

長期:適切なレベルに活動を促進し、休息の時間をとる

短期:治療を始めて1週間以内に活動量を増やすことができる

OーP

・入院時及び疾患の経過に伴って、定期的に患者を評価する

TーP

・患者が耐えられる範囲で休息と活動のバランスを考慮したスケジュールを決める

・就床患者には自動的及び他動的関節可動域運動を指導する

EーP

・必要があれば理学療法士作業療法士に相談する

 

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#5激しい症状や倦怠感などから他者に依存的になる

看護診断 非効果的コーピング

関連因子:人間関係の特徴によって作られる不適切なソーシャルサポート、入手可能な資源が不適切

診断指標:情報を系統立てることができない、倦怠感、基本的ニーズを満足できない、不適切な問題解決、目標に向かう行動の不足、通常のコミュニケーションパターンの変化

看護目標

長期:家族を教育し、患者が疾患に適応し、自分自身の考えを変え環境に適応できるように援助する

短期:1)疾患に適応し自立性を高める

2)ADLをできるだけ自分で行い治療を確実に受ける

OーP

・患者の行動や精神状態の変化を評価し、兆候が見られたらいしに報告する

TーP

・患者と介護者に結核についての心配やおそれを表出するように勧める

EーP

・患者家族に結果について説明する

・できるだけADLを自分で行う用に勧める

・患者家族と一緒に薬物療法について学習し、長期治療を続ける重要さを強調する

・退院後薬物療法のコンプライアンスについて患者に確認する

・必要時作業療法士に相談する

 

#6疾患や治療に対する将来への不安がある

看護診断 不安

関連因子:環境の変化、環境に対する脅威、長期にわたる服薬、疾患の理解不足

診断指標:人生の出来事の変化による心肺を表明する、不眠、イライラ焦燥感、不確かさ

看護目標

長期:1)治療の継続が必要なことを理解し、自分の現状を受容できる

2)再発予防行動がとれる

短期:1)結核菌による感染であり適切に治療すれば治癒可能であることを言葉で表す

2)隔離状態にあるが外科医とのコミュニケーションが可能であることを理解し、不安が軽減したことを言葉で表す

OーP

・疾患、検査、治療に対する患者の情報量と、その理解の程度

・表情、言葉、態度の表出状況と、不安の程度との関係

・性格傾向、コーピングパターン、サポートシステムなどと不安の関係

・現状に対する受け止め方、患者の考えている対処方法

TーP

・適切な時期を見て患者の不安の原因が何であるか、言葉で表現するように励ます

・患者が混乱しているときは整理する時間を与える

・物事を前向きに建設的に考えるように勧める

・今後の治療方針や治療期間について、情報を提供する

EーP

・入院環境、疾患、検査、処置についての患者の理解状況を確認し、不足があれば補う

・感染症であり、他者に感染させる危険性がある疾患であることを説明し、一定期間の隔離が必要であることを理解させる

・感染の危険性の高い期間は、適切な服薬を行えば2週間ほどであることを説明し、安心させる

・疾患や治療に対する知識を重要他社にも伝え、患者へのサポートが継続できるように励ます

 

 

参考資料:疾患別看護過程

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