うっ血性心不全の看護診断・活動不耐
看護診断:心拍出量減少や疲労に関連した活動不耐
看護目標
疲労や息切れの原因となるような活動を減らし、むしろ徐々に活動耐性と自立性を増大させていくように援助する
徴候と症状
動作時の呼吸困難。疲労や脱力感。日常生活動作を完全に行えない。休養の必要性が増す。依存性の増大。
看護介入
① 段階的に心肺機能を改善していくリハビリテーションプログラムを指導する。すなわち大尉の返還から始まり可動域運動を行い、能動運動へと発展させていくプログラムを指導する。例えば、歩行、階段を上る、固定自転車に乗る、といったようにである
② 入浴や着替えなどのような日常活動においても運動するよう奨励する
③ それぞれの段階での運動量を完全にこなしていくように指導する
④ 活動と休憩を交互に行う
⑤ 次の新しい活動の段階に対し高齢患者が対応できるかを評価する。もし患者の脈拍が安静時の脈拍より30/分以上増したとき、不整脈が新たに発生したりあるいは増加した場合、収縮期血圧が安静時より15mmHg以上低下した場合、呼吸困難、呼吸数の低下、意識消失を起こしたり著しい脱力を起こした場合には活動をやめなければならない
⑥ 患者にヴァルサルヴァ法(声門を閉じて呼気を強いること)をしないように指導する。例えば、ベッドの中で息を止めたまま寝返りを打たないとか、排便時に力まないなど
⑦ 患者がその時々の気分や、希望、恐怖を話せる時間を作るようにする
理論的根拠
① 姿勢を変えたり運動することが、筋肉の収縮や長さを変化させて、抹消循環を改善し血栓塞栓症の危険性を少なくし、不動性によるその他の合併症を少なくする
② 高齢患者は計画されたプログラムに従うよりは、むしろ日常生活に運動を組み入れたほうが実行しやすいであろう
③ 予定した運動量をどのように頑張って実行できるかを示すことにより、高齢患者の憂鬱をやわらげ、必要な運動量を完全に行えるようにすることができる
④ ベッド上安静や活動しないことが筋力や持久力を失わせる原因になる。しかし最初は、短時間の活動でさえ心臓の症状を誘発することがある
⑤ 活動をあまりにも早期に再開すると、心不全、心筋虚血、抹消循環不全を悪化させることがある。もし患者が非現実的な基準に応じることを望むならば、心理的にも病気を悪化させる原因になる
⑥ ヴァルサルヴァ法は胸腔内圧を増加させ、いったんこらえた息を吐くときの反射的な静脈還流の増加によって、心臓への血液還流を増加させる。ヴァルサルヴァ法は失神や心室期外収縮を起こすことがある
⑦ 恐怖、心配、不安感は活動を低下させる
患者目標
徐々に活動耐性を増価させ、自立するようになるー日常生活動作を完遂する能力や運動耐性が以前のレベルに戻ることで証明される
参考資料:看護診断に伴う高齢者看護ケアプラン