感覚遮断の看護診断・栄養状態の変調:身体要求量以下
看護診断:味覚障害に関連した栄養状態の変調:身体要求量以下
看護目標
栄養欠乏または失調を発見し、改善する
徴候と症状
体重減少。食欲不振。皮膚損傷
看護介入
① 砂糖と食塩の味を区別して、患者の味覚を調査する
② 頻回で入念な口腔ケアを行う。歯ブラシを行う際は歯のみでなく口腔や舌も十分にブラシをかける。入れ歯の清掃も十分に行う
③ 口腔ケアには、柔らかい歯ブラシかスポンジ歯ブラシを使用する
④ 口腔内が食物残差などでひどく汚染されている場合は、パパイヤジュースを用いて含嗽を促す
⑤ 常に可能な限りベッド外での食事を促す
⑥ 集団で食事をすることを促す
⑦ トーストを食堂で準備するなどし、食事を準備するにおいが楽しめるようにする
⑧ 食事中は食欲を疎外する可能性のある刺激はすべて取り除く。例えばテレビやラジオからの雑音、家庭用洗剤や汚れたシーツなどの悪臭などである
⑨ 禁忌でない限り、1日1000~2000mlの水分摂取を促す
⑩ 視覚に訴え、食欲を増すような料理を提供する
⑪ ペースト状の食事よりも指でつかめるような食事を提供する
⑫ 嚥下障害と可動性障害を伴う患者に最初に配信し、また最後に下膳する
⑬ 関節炎の患者などでは、適応に応じて使いやすく改良された補助食器を使用する
⑭ 可能な限り、自力で食事を摂取することを促す。家族にはその理由を説明する
⑮ 緑黄色野菜を十分献立に取り入れることで、必要亜鉛摂取量の獲得を促す
⑯ 患者が空腹であるときだけ食事を提供する
⑰ 家族に患者の好みの食物を家族から持ってくることを促す。全体的な栄養計画に家庭からの食物を織り込む
⑱ 繊維の多い食品を提供する。高繊維食の重要性を説明する。その際、腹部充満感などの副作用は数週間で軽減することを合わせて説明する
⑲ 総合ビタミン剤を、医師の処方によって栄養計画に加える
⑳ 病院の食事献立表を退院後の献立の参考にするために保管するように促す
理論的根拠
① 味覚の検査は通常の評価においてはしばしば省略されるので、味覚感覚を確認するために患者の甘味・塩味における鑑別能力の有無を調べることを看護師は忘れるべきではない。特に高齢者にとって甘味・塩味は唯一残存する味覚感覚であることが多い
② 口腔を清潔に保つことで味覚を増強させて食欲不振を防ぐのに役立たせる
③ このような歯ブラシを使用することで、口腔粘膜の損傷を防ぐ
④ パパイヤジュースは食物残差を分解して取り除く効果のある天然酵素を含む。また飲み込んだ際には天然の消化補助剤として働く
⑤ 運動と活動は消化力を亢進させ食欲増進に役立つ
⑥ 社交的雰囲気は食欲を亢進させる
⑦ 臭覚刺激は味覚感覚を刺激し、食欲増進をもたらす
⑧ 不快な悪臭や刺激は、患者の食欲を減退させる
⑨ 十分に水分摂取することで口腔内の湿潤が保たれ味覚が増強される
⑩ 美しくもらえた食事は食欲を増進させる
⑪ ペースト状の食べ物は歯ごたえがなく、食思を刺激しない
⑫ 十分な食事時間を確保する
⑬ 改良された食器類の使用により、患者はより細かな動作が可能となり、疼痛軽減にも役立つ
⑭ 自力で食事をすることは患者にとって刺激となり、患者が自らの環境において、ある程度のコントロールを保持させ、患者の自尊心を増強させる
⑮ 亜鉛は味覚感覚を増強させる
⑯ これは患者が自己の欲求をコントロールする感覚を保持させる
⑰ 家庭からの食物はしばしば食思を刺激する
⑱ 高繊維食は食思減退の原因となる便秘を防ぐ
⑲ 総合ビタミン剤服用により、ビタミン欠乏症を防ぐ
⑳ 治療色を必要とする場合は、特に病院献立表は家庭に帰ってからのために良い教材となる
患者目標
引き続き皮膚損傷を皮膚損傷を防ぐことができる
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン