高齢者ケア・褥瘡
症状からみた高齢者ケア・褥瘡
褥瘡は床ずれともいわれ、圧迫を受けやすい部位にできた血流障害による皮膚の潰瘍状態をいう
褥瘡の発生要因
・身体的要因
体動、体位変換不可、体位制限がある場合や寝たきり状態、栄養障害
・物理的要因
圧迫、摩擦、湿潤や不潔、外傷
身体的要因に対しての介護ポイントは、体位の制限がある特別な場合を除き一般的には食事を食べるとき、1日3回、1時間ほどの坐位を取らせることから始める。また栄養・水分補給を十分行い体力増強を図る
物理的要因に対しての介護ポイントは、皮膚の抵抗力を高め皮膚の清潔にこころがける。これには新陳代謝を促進して、全身の清潔が可能となる入浴が最適な援助となる
おもな症状
・圧迫部位の皮膚組織の壊死・潰瘍形成・細菌感染に伴うものもある
・創の状態は発赤、水疱、びらん、壊死、潰瘍の順に進み、感染を起こすと感染症状が出現する
・その他、褥瘡形成に伴ってかゆみ、痛み、不快感、イライラ感、知覚障害などの症状がみられる
観察のポイント
①観察
・褥瘡の発生予防に関する観察
・栄養状態
・褥瘡の部位と程度の観察
・褥瘡の部位、大きさ、深さ、形、肉芽、表皮の状態、壊死の有無、感染症状の有無
②褥瘡に伴って起きる症状の観察
・褥瘡の増悪傾向の有無
・痛みや不快感の有無
・感染症状の有無
・うつや意欲の低下の有無
③高齢者に対する留意点
加齢に伴って生理的な機能の低下は避けられないが、寝たきりの状態のように活動性が失われると心理的に回復の意欲が乏しくなる
外部からの刺激に対する反応も鈍くなるため、持続的な圧迫がかかっても気づかずに同一体位をとることがある
そのため高齢者においては特に生活の活性化を図り、常に皮膚の清潔に心がけることも褥瘡予防に大切なことである
生活援助上の注意事項・留意点
①体位変換:2時間おきの体位変換よりもできれば坐位をとることを心掛ける
②褥瘡予防用具の使用:エアマットの利用はよいが、円座は使用部位の圧迫につながり、褥瘡を拡大するので使用しない
③栄養・水分補給:バランスの取れた栄養を与える。十分に取れない場合は医療関係者との連携を図る
④皮膚の清潔:清拭、除湿に心がける
⑤摩擦、ずれの防止:皮膚をこすったりマッサージをしたりしない。ずれを生じさせないためには、起こすときは90度坐位にする。また即買い30度の退位では、シーツ・衣類にしわを作らない
⑥褥瘡の処置:医療関係者との連携を図る
参考資料:高齢者ケア