高齢者ケア・意識障害
症状から見た高齢者ケア・意識障害
意識障害の原因
・脳そのもの:急性の中枢障害、脳出血・梗塞の再発(慢性の疾患の延長線上でおこるもの)
・脳以外の臓器に原因:低酸素、心臓発作、糖尿病、高血糖、低血糖、脱水
・その他:薬物、アルコール
意識障害の原因としては、脳の疾患が多い。加齢による脳の障害、低酸素による脳の障害や脱水、日内リズムの変化、視聴力の障害などが関係し、身体的、心理的、環境的因子で起こる
おもな症状
意識障害には程度があり、大きくは以下の3段階に分けられる(3-3-9度方式)
Ⅲ:刺激を与えても全く覚醒しない状態
Ⅱ:刺激を与えると覚醒する状態
Ⅰ:刺激を与えないでも覚醒している状態
その他、意識の変容として以下のようなものがみられる
せん妄:軽度の意識混濁に錯覚、幻覚や精神的な興奮、不安などが加わった状態
朦朧状態:意識混濁の程度は軽いが、全体的な判断力がかけ錯覚、幻覚、不安、徘徊などを伴う状態
観察のポイント
①観察
・意識レベルの状態
・意識障害の発現時期と経過
・バイタルサイン
・神経症状(頭痛、嘔吐、麻痺、震え、けいれん)
②意識障害に伴って起きる症状の観察
・日常生活行動の障害・事故
・誤嚥、窒息
・感染、褥瘡や関節の拘縮や変形、筋力低下などの合併症
③高齢者に対する留意点
高齢者に多い脳卒中がある。意識障害は脳の重篤な機能障害であり、生命を左右する危険にさらされている場合が多いので、救急処置をして直ちに医療関係者に連絡するひつようがある
生活援助上の注意事項・留意点
①突然に反応が全く見られなくなった場合
・救急処置をし、医療関係者に連絡する
・気道の確保、窒息の防止
・保温
②意識障害状態にある場合
・意識レベル状態の観察、バイタルサインを確認する
・食事は誤嚥を起こさないように与える
・排泄は状況に応じて誘導するかおむつにする
・清潔保持は特に陰部と口腔に注意する
・合併症を予防する(運動不足から関節の拘縮、変形、筋力の低下を防ぐ)
・環境の調整と危険の防止(ベッド柵を忘れない)
参考資料:高齢者ケア