胃・十二指腸潰瘍患者の看護計画
#1疾患の再発防止のための行動がとれない
看護診断 非効果的自己健康管理
関連因子:知識不足
診断指標:危険因子を減少させる行動をとることができない、治療計画を毎日の生活に組み込むことができない
看護目標
長期:自己管理の方法を理解し実行できる
短期:1)疾患について理解できる
2)食事療法を理解できる
3)薬物療法を理解できる
4)生活リズムを整え継続できる
OーP
・疾患の経過、疾患の理解状況
・食習慣
・生活習慣
・活動状況
・健康認識
・薬物療法
・NSAIDSの服用歴
・家族の協力体制
TーP
・疾患や治療に対する考え、気持ちを聞く時間を設ける
・生活リズムを整える取り組みを共に考える。入院前の生活を振り返り規則正しい生活と比較する。生活の改善点、改善のために取り組むことを挙げる
・退院後をイメージし実行可能な改善方法を共に考える
EーP
・カフェインや香辛料など刺激物の大量摂取を避け、バランスの良い食事を心がけること、1日3回規則的に食事をとることを指導する
・禁煙、禁酒を指導する
・プロトンポンプ阻害薬、ピロリ除菌薬など、薬物の服用方法について指導する
・服薬を中断すると再発しやすいため自己判断で中止しないよう説明する
・定期的に受診すること、合併症徴候が出現したら医師に報告することを説明する
・NSAIDSの使用を避けることを説明する
・患者のストレス要因を共に考え、ストレスを引き起こす状況や人間関係を避けることを励ます
・生活リズムを整えるために、患者に合った方法を共に考える
#2胃十二指腸潰瘍による組織損傷のため腹痛がある
看護診断 急性疼痛、慢性疼痛
関連因子:ピロリ感染、NSAIDS使用、胃酸の過分泌
診断指標:合図による疼痛の訴え、疼痛があることを表現する行動、苦悶様顔貌
看護目標
長期:胃十二指腸潰瘍の再発や再燃が減少し疼痛が消失する
短期:1)疼痛が緩和され安楽になったという発語が聞かれる
2)疼痛が軽減消失したと述べる
OーP
・体温、脈拍、血圧、呼吸数、意識状態
・疼痛の種類、部位、強度、持続時間、食事との関係
・腸蠕動音、腹部膨満感、腹壁の緊張、圧痛の部位と程度
・悪心、嘔吐、排便回数、便の性状
・不安の表出:表情、言動、興奮、落ち着きのなさ
・睡眠状況:入眠時間、覚醒時間、熟睡感の有無
・服薬状況
・医療者とのコミュニケーション状況
・キーパーソンとなる家族、知人の有無
・不安を助長する因子の有無
TーP
・腹痛が出現した時は衣服を緩め膝を曲げてっ腹部の緊張を除去し楽な体位をとる
・患者が痛みを表出できるよう促し、傾聴する
・腹痛出現時は、速やかに医師に報告する。医師の指示により疼痛を緩和する薬物の服薬を指導する
・騒音を防ぎ室温、湿度など環境に配慮する
・必要とする情報と説明を行い、不安を軽減する
・不安や悩みを表出できるよう関係を築く
・疼痛が緩和している期間に、食事、休息、活動、ストレス因子を避けるなど生活を共に見直す
EーP
・疼痛に対する薬物を指示通りに服用するよう指導する
・生活パターンを規則正しく整えるよう指導する
・ストレスの多い状況を避けるよう説明する
・新たな疼痛が増強したり、我慢できない疼痛が出現したら医師に報告するよう説明する
参考資料:疾患別看護過程