白癬患者の看護計画
#1皮膚にびらんや亀裂がある
看護診断 皮膚統合性障害
関連因子:年齢の両極端、湿潤、薬物治療、皮膚緊張の変化、栄養状態のアンバランス、免疫不全、感覚障害
診断指標:皮膚表面の破綻(表皮)、皮膚創列の破綻(真皮)
看護目標
長期:皮膚症状を悪化させず治癒する
短期:1)外用薬を正しく使用できる
2)手洗いや皮膚の破綻を予防する行動がとれる
OP
・かゆみの程度、部位
・皮膚症状の変化
・手指衛生やつめの手入れ状況
・外用薬の使用目的に対する理解と実施状況
・睡眠状況
・栄養状態
・清潔のセルフケア状況
TP
・自分で外用薬を塗布できない患者を介助する
・自分でつめの手入れができない患者を介助する
・搔破しないよう注意できない患者や無意識に搔破してしまう患者には綿製手袋の着用を促す
・搔破による皮膚の損傷があれば医師に報告し適切な薬剤を投与する
・清潔のセルフケアが困難な患者には、爪切りの介助や手浴などによる清潔ケアを実施する
EP
・びらんがある部位には外用薬を塗布しない
・角質増殖型白癬に処方される角質誘拐罪は指の間に塗布しない
・外用薬使用中に症状が悪化した場合はすぐに医師に申し出る
#2掻痒感による皮ふの搔破部位やびらんのある部位からの二次感染を起こす恐れがある
看護診断 感染リスク状態
危険因子:不適切な第一次防御機構、慢性疾患、栄養不良、病原因子への曝露を避けるための知識不足
看護目標
長期:二次感染を起こさない
短期:手洗いや皮膚の搔破を予防する行動がとれる
OP
・基礎疾患
・バイタルサイン
・かゆみの程度、部位
・皮膚のびらん、表皮剥離、発赤、腫脹、膿性浸出液の有無
・手指の衛生やつめの手入れ状況
・睡眠状況
・栄養状態
・清潔のセルフケア不足
TP
・自分で外用薬を塗布できない患者を介助する
・自分でつめの手入れができない患者を介助する
・搔破しないよう注意できない患者や無意識に搔破してしまう患者には綿製手袋の着用を促す
・搔破による皮膚の損傷があれば医師に報告し適切な薬剤を投与する
・清潔のセルフケアが困難な患者には、爪切りの介助や手浴などによる清潔ケアを実施する
EP
・かゆみのため皮膚を搔破する危険性を説明する
・皮膚の損傷によってかゆみが増強することを説明する
・手指の清潔とつめの手入れの必要性、方法を指導する
・靴下を着用して外傷を予防する
#3肥厚した爪の剥離や爪切りが困難なことによる爪甲の破壊や剥離、深爪などによる皮膚損傷の恐れがある
看護診断 身体損傷リスク状態
危険因子:身体的因子、栄養因子、心理的因子、感覚機能の障害
看護目標
長期:つめや皮膚を損傷しない
短期:爪を損傷することなく手入れができる
OP
・爪の混濁、肥厚、変形の有無と程度
・爪の外観に対する患者の意識
・つめの手入れ状況
・視力と手の巧緻性
・爪切りの習慣
TP
・自分で爪切りができない患者の介助
EP
・足の爪はサイドを切りすぎないようスクエアカットにするよう指導する
・爪白癬の場合は爪切りはさみかニッパーなどを使用するよう指導する
・爪は短きらず2ミリ程度の長さを残すよう指導する
・肥厚して切りにくい場合は無理に切ろうとせず、ヤスリをかけるよう指導する
#4治療中断により白癬が進行したり身体各部へ広がる恐れがある
看護診断 ノンコンプライアンス
関連因子:ケアの簡便性、ケア提供者の継続性、ケア提供者の敵的なフォローアップ
診断指標:指示に沿っていないことを示す行動、合併症出現の徴候、症状悪化の徴候
看護目標
長期:指示されたとおり治療を継続できる
短期:1)治療を中断してはいけない理由を説明できる
2)指示された内服薬あるいは外用薬を毎日使用できる
OP
・過去の白癬治療の経験と当時のセルフケア状況
・白癬のタイプ、症状
・治療に対する意欲
・内服薬や外用薬に関する患者の理解状況とセルフケア状況
・皮膚症状、掻痒感などの変化
・白癬に関する家族の調整
TP
・患者が自分で内服や外用薬塗布ができない場合は介助する
EP
・外用薬は入浴や足浴後に塗布するよう説明する
・外用薬は症状のない部位にも塗布するよう説明する
・かゆみが消失しても治癒していないため指示された期間は治療を続けるよう説明する
・症状が悪化したように見えても薬剤の使用を中断しないように説明する
・内服薬使用中の副作用の症状を説明する
・定期的な受診と血液検査の必要性を説明する
・他の疾患で治療の必要が生じた場合は白癬の治療中である旨、医師に伝えるように説明する
参考資料:疾患別看護過程