肺MAC症ってどんな病気?
肺MAC症ってどんな病気?
肺MAC症という、一般にはなじみの薄い病気が急増しています
結核によく似た病気で、近い将来、結核による死亡者数を超えると考えられます
肺MAC症とは 風呂場や土をいじる環境で感染しやすい
肺MAC症は、MAC菌の感染によっておこる肺の病気です。MAC菌は、土や水の中に広く生息する非結核性抗酸菌の一種で、1950年代からヒトに感染・発病することが知られています
最近のCT検査や結核菌や非結核性抗酸菌の遺伝子検査の普及により、ハイMAC症の診断率が上がったことで注目されるようになりました
急増している原因として風呂場での観戦増加が考えられます。MAC禁は42度前後の温度でも増加するので気密性の高いふろ場は最適な環境なのです
浴槽のお湯のすすぎ口やシャワーヘッドなどからMAC菌が検出された報告があります
発病する仕組み
肺MAC菌は、土や水の中のほか風呂場のぬめりや湯垢にもいます。そうした場でしぶきや霧状の水滴、土ぼこりが発生し、その中の肺MACを肺に吸い込むと感染すると考えられます
10年以上かけて進行するので感染後は症状のない状態がしばらく続きます。肺の炎症が進むと咳や痰、血の混じった痰などの症状が出ます
ただし結核と違い人から人に感染することはありません
肺MAC症は気管支の粘膜や軟骨を破壊して気管支を拡張させるの出気管支拡張症と診断されることもあります
肺MAC症になりやすさチェック
・40歳以上の女性
・生真面目・ストレス体質
・小食、やせ型
・胃の働きがあまりよくない
・換気せずに風呂場掃除をする
・汚れたシャワーヘッドを使う
・土をよくいじる
肺MAC症に検査
胸部エックス線検査で肺に異常な影がないかチェックし、影の状態や位置などで肺MAC症が疑われる場合は、胸部CT検査で詳しく調べます
画像検査で肺の感染症が疑われた場合は、痰を調べます
痰から肺MAC菌が2回以上見つかれば肺MAC症と診断されます
肺MAC症の治療 基本は抗菌薬を飲み、注射薬を使う場合もある
肺MAC症は、症状がない場合は治療をせずに経過観察を行うこともあります
治療の基本は抗菌薬で様々な感染症に使うクラリスロマイシンと結核に用いるリファンピシン、エタンブトールの3種類を飲みます
患者さんの70%以上は1か月ほどで症状が治まり30%は再感染がおこります。そのため2~4年間程度は薬を飲み続けます
薬の副作用にはかゆみやひ鍼、食欲不振が現れることがあります。視力低下が起こることもあります
風呂場掃除での肺MAC症対策
・十分換気をしながら行う
・水しぶきを立てないよいうに行う
・ぬめり・湯垢をしっかりとる
・お湯の注ぎ口やシャワーヘッドも掃除する
・N95マスクを使用する
参考資料:きょうの健康