夫の不眠解消と家庭の平和
家庭の平和
ここ数日、私たち家族の身辺は不穏だ。
穏やかで平和であたたかな家庭が、精神症状で入院していた夫にとっては一番の薬になるのかもしれない。
親にとっては子供の幸せが自分の幸せの指標になると思う。言い換えれば、子供の幸せが自分の幸せになる。
子供が悩んで迷って苦しんでいるときには、親も同じくらいに悩むのだ。
子供の家庭が一時的にでも平和を保てないときには、他の親と同じように私たちも親として安らかな心持ではいられなくなるのだ。
子供を信じていても、どう対処することが最適なことなのかと悩む。放置しておくのは難しい。
おせっかいや出しゃばりだと思われても、ツカツカと人の心に土足で入っていくような真似をしてしまう。
自分の行動で、子供たちに平和を取り戻してあげたいなんて、できもしないのに思いあがった考えを持ってしまう。
その日、子供のことばかりに頭の中を支配されて、夫への気配りや配慮が後回しになってしまった。
案の定、夫は不眠だった。夫への気遣いが私には欠けていた。
最近夫は薬をちゃんと内服していて症状もよかったのですっかり安心していたのだ。
病気でないときの夫に頼るように、自分の思いばかりを夫に話してしまっていた。
夫は人の心の心配まで、まだできない状況なのに。私は夫を介護する立場にあるという自覚に欠けている。
夫は私のことを頼りないと正直にいう。
私は夫や家族をこれまでずいぶん支えてきたつもりなのだが、夫の目には頼りなさげに映っていたらしい。
確かに最近、「もの忘れ」がよくある。
夫は「お前よりわしのほうがしっかりしていると思う」というのだが、実際そう思わないでもない。
しかし、夫は認知症の検査結果により、認知症の進行を予防するための薬も処方され内服しているのだ。そう考えると私のほうが認知症に近いことになってしまう。
子供たちに迷惑をかけないように、年老いていかなければ。