尿失禁の看護診断・腹圧性尿失禁
看護診断:尿道口の抵抗減弱に関連した腹圧性尿失禁
看護目標
腹腔内圧を上昇させるような運動中の排尿を抑制できる
徴候と症状
腹腔内圧の上昇により起こる尿漏れ、何回もの分娩の経験、最近カテーテルを抜去したこと、現在の尿道の弛緩、前立腺の手術の既往、膀胱固定術を以前に行っている
看護介入
① 患者に骨盤筋増強運動のやり方を指導する。最初患者に自発的に排尿を途中でやめまたは直腸を緊張させることにより、骨盤庭筋の位置を自覚させる。次に筋肉を引き締め10秒間それを保ち、それから10秒間弛緩させることを指導する。患者が毎日3回10分間づつこの運動を行うことを教える
② 患者に咳嗽、歩行、その他の腹腔内圧の上昇などを起こす前に、骨盤筋を引き締めることを患者に指導する
③ エストロゲン療法について女性患者を担当している医師に相談する
④ 重症の子宮脱を持つ女性の患者にベッサリーの使用を進める
⑤ もし適応があればバイオフイードバッグを患者に紹介する
理論的根拠
① 骨盤筋、特に非尿・生殖器隔膜の運動をすることは括約筋の緊張力や尿道の抵抗を増強させる
② くしゃみ、咳嗽、物を持ち上げる前に骨盤筋を引き締めることは尿失禁を取り除く可能性がある
③ エストロゲン療法は尿道粘膜の統合性を回復させる可能性がある。それによって尿漏れに対する抵抗力を増強させる
④ 子宮頚部を安定させるために経腟的に挿入されるベッサリーは尿道内圧を上げ腹圧のかかる状態下で尿管膀胱接合部を安定させる
⑤ バイオフイードバッグは腹筋を弛緩している間に自発的に膀胱収縮を抑制したり括約筋を調節することを指導する行動療法の一つである。またゆっくりした進歩に失望している患者を刺激するのに役立つ
患者目標
3か月以内に尿失禁を取り除くか軽減することができる
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン