うつ病患者の看護診断・病的悲嘆
看護診断:最近、家族を失ったり生活様式が変化することに関連した病的悲嘆
看護目標
患者が重症な反応性うつ病に対処しようとするのを助け、悲嘆の過程を通して患者を援助する
徴候と症状
身体のいろいろな訴え。6か月以上も悲嘆が続くこと。ライフスタイルの機能障害。体重減少と不眠
看護介入
① 患者が最近の生活で失ったもの、例えば配偶者を失ったり退職したり健康を損ねたりしたことがあるかどうか、または最近脳血管発作を起こしたかなどを評価する
② 患者が勘定を払ったり、買い物をしたり銀行に行ったりするなどの日常の仕事を、うまくやっていく能力があるかどうかを評価する。もし必要なら訪問健康管理補助員のサービスを受けるよう提案する
③ 悲嘆の過程の一般的な段階の中で患者を援助する。軽度から中程度のうつ病や普通の悲嘆状態はたいてい自制でき、治療できることを説明する
④ 薬を使わずに患者の身体のいろいろな訴えを保存的に治療する
⑤ 患者に行動療法を行う
⑥ 社会活動に参加するように患者を励ます
⑦ 患者に、適切な援助グループに協力を得るように勧める
理論的根拠
① このような出来事がしばしばストレスやうつ病を引き起こす
② うつ病の患者はこのような日常の仕事をちゃんとすることができない
③ このような指導をすることでコントロールができないという患者の不安をやわらげ、うつ病に伴って起こる諸問題から解放する助けとなる
④ 反応性うつ病にはたいてい薬が効かない
⑤ 行動療法は患者が問題点を確認し、解決するための適切な計画を展開するのに役立つ。行動療法は患者の日常生活において、前向きの体験を増やすことを目指している
⑥ うつ病の高齢患者をその自己中心的思考からそらすために、他の人々とかかわりを持たさせることが必要である
⑦ 支援グループはカウンセリングを提供してくれる。このようなグループとの付き合いによって、社会的活動をする機会が与えられ、いろいろな役割のモデルを提供され、うまくやっていけるよう助けてもらい、悲嘆の過程を容易にさせたりする
患者目標
・ 機能障害的悲嘆を処理する適切な方法を認識することができる
・ 効果的に喪失感に対処することができる
参考資料:看護診断に基づく高齢者看護ケアプラン